アンチ
昼休みのこと。
「ねぇ轟。新しい依頼来てるよ。」
傀儡使いの少女、山本の声が神威を呼ぶ。
「おう、書類見せろや」
彼女はあれから、安倍健太がマスターである神威達のメンバーになり、活動している。
「また殺人依頼か、俺らを殺人ギルドかなんかと勘違いしてんのか?」
「てかさー、ウチの元いたギルドってか、宗教の名前は、傀儡教会って名前だったんだけど、アンタのところの名前ってなに?」
「お前はそんなんも知らんで入ったのか」
「知らないんだもん、なんて名前なの?」
「アンチ」
山本が、息をのむ。
「まだ、存在してたのね。こんな形で」
「まあ、緩くやってますわ」
アンチ、、、この名前を知らない日本に縁のある能力者はいないのではないか。
「10年前に政府の陰陽師殲滅計画を反対し、陰陽ギルドに全く関係なかったはずなのにテロを起こし、賛成票を出した魔術政治家全員を抹殺した、テロ集団の名前。
だから、安倍さんがリーダーなのね。」
「ちなみに団長の本当の苗字は土御門だからな。今の時代、土御門なんて名乗ってたら、殺してください、って叫んでるようなもんだからな。偽名だよ。」
その場の空気は重くなった。それを神威はかき消すように
「さて、本題だ。ターゲットは?」
「音海結衣、、、依頼者、、、日本魔術政府。」