4話 帰宅
車に亜美を拘束したまま、神威一行はさいたま市のとある小さな道に入って車を停めた。そして小さなバーに入った。ここは神威たちの拠点だ。木の根を歩かせ、亜美も連れていく。カウンターにはやや老け顔の10、20代ぐらいのマスターがグラスを拭いていた。
「やあやあ、おかえりなさい。おぉ、山本の長女まで連れてきよったか。たまげたなぁ。」
「あぁ、まあ依頼ターゲットはやったんだ。この女には色々聞きたいことがあるから連れてきた。」
神威は言う。その直後、彼女は言い放つ。
「それは無理よ。」
「ダメだ。解放されたいのならば教えろ。」
愛斗が対抗する。
「愛斗、恐らくそれは、無理な話だ。まぁ良い。その子を解放してやれ。」
「逃げられちゃーーー」
マスターが遮るように喋る。
「それは無い。彼女は逃げてももう意味がないからな。それに喋りもしないだろうしな。」
解放された亜美はずっと俯いたまま、地べたに座っている。
神威は痺れを切らして言う。
「なぁ、そろそろなにか喋れよ。空気が重いんだ。」
マスターはため息を着いた後、その場の3人に言った。
「少し、待っててくれ。ーーーーー少女よ、貴様を助けてやる。」