2話 傀儡師の少女
声をかけてきたのは同級生ぐらいの女子だろうか。その少女はさっき男性を殺した行き止まりの塀の上に乗っかった。
「君、その服は黒服とマスク、ちょっと有名どころの殺し屋さんかな?異能力を使わないで依頼を。へー。まあ、鎌は異能力か。そっかそっか。」
とても早口で滑舌よく話している。
「そんで、俺を逃がす訳にはいかないって訳か。」
「こんな路地裏を汚くしちゃって。もっと綺麗に殺してくれない?そしたら許したかも?」
お前ら傀儡界の人間が許す訳がないよなぁ!」
「あはは、ご名答っ!」
その瞬間、後ろから神威の腹をなにかが貫通する。
「ぐわぁぁぁぁぁあ!」
神威は地面に倒れた。
「あらま、随分ヤワななのね。腸までぶちまけちゃって。」
少女はニヤリと笑いながらスマホを取り出す。
「任務完了報告、しなくちゃ。」
連絡先を探す。その瞬間、腹を貫通させたなにかがバラバラに壊れているのを、少女は見つけた。
「小賢しいな。上級傀儡師か。」
「なに!なんなの!こいつ、、、普通は死んでるはずじゃーーーー」
そこには鎌を持ったマスクの少年が経っている、のも束の間、鎌は傀儡師の少女の心臓をえぐった。
「はぁ、痛ってーなぁ、、、」
その少女の死体を見て神威は思う
(普通の人間は、心が痛むらしいな)
ただ、殺した感覚がないのは
「こいつ、体が傀儡で出来てやがる。てかこいつ、なんて傀儡師らしくねぇ格好してやがる。ラッパーでも目指してんの?」
(こんな冷静に死体をみれる自分が、気持ち悪くなってくるぜ。)
心の中でカッコつけてみる。その後、そんなかっこよくもないセリフをカッコイイと思った。自分が恥ずかしくなる。
(ほ、ほんの一瞬、カッコイイと思っただけだから!)
リアカーを引きずり、今度こそ細い路地を素早く後にする。