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作者: 爆砕ボルト

即席で書いた短編小説ですので、下の設定をお読みの上作品を読んでみてください。



・少女

戦族の生き残り、幼い頃より両親を迫害で失っており、少女自身も迫害されてたため、心に蓋をし、貧民街の裏路地でひっそりと暮らしている。13歳


・中隊長

これといって、能力があるわけではなく、努力で中隊長まで上り詰めた実力者。戦族の迫害も理解しており、どうにかしたいと思っている。53歳


・戦族

太鼓より、人間と違い、卓越した能力とされ、戦族のほかにも狩猟者などと呼ばれたりする。

人体構造は人間と同じだが、感情が高ぶると片目が赤くなる(左、右どちらが赤くなるかは人によ異なり、法則性はない)

卓越した能力を恐れられ、伝統を重要視する国では迫害の対象とされてきた。

心のリミッターが外れると、命を代償に爆発的な身体能力を得る。



いつからだろう、血で赤く染まった戦場を私は駆けていく。

時折、残党が反撃を試みるが私は意に返さずに残りの敵を引きちぎっていく。

どうしてこうなってしまったのだろうか。私は薄れゆく意識の中で考える。


そう、それは2年前の出来事だ。突如、隣国が宣戦布告をし侵略を開始したのだ。我が国は、昔からの伝統を維持存続させることを国を挙げて行っている。そのため軍事力は最小限にとどめていた。それに付け込まれ、隣国は進行を開始。街は瞬く間に占領されていった。

国は応戦するために、女子供関係なく動ける者は徴兵していった。

私は、戦族の末裔であり、戦族は迫害の対象とされるため、ひっそりと暮らしていたが、徴兵担当官は特に身元を調べずに前線に駆り出した。

それがつい10日前の出来事だった。そこから5日間、簡単な訓練を受け、最前線にいた第512歩兵中隊で二等兵として加わった。

そこから3日間は大きな衝突もなく、中隊の仲間との親睦を深めていった。

2日前の夜、届いた補給物資の中にワインが入っており、夕食後に当直を除いて酒盛りをした。少女はもちろん未成年なのだが、有事の際だから少しならよいと中隊長から許しをもらった。数時間後ほとんどの隊員は隊舎に戻り、休息をとったが少女と中隊長は残り、酒を飲んでいた。

少女は少々飲みすぎたのか、フラフラしていたが、そこに中隊長が普段より静かな声で質問した。「お前、戦族の生き残りだろ?」

その一言に少女は一瞬で酔いがさめた。驚いて固まっていると、中隊長は話を続けた。「なーに、お前が戦族だろうが、なんだろうが上に報告したり、いいふらしたりなんかしないさ。大事な部下だしな。」

「相当苦労してきたんだろ?話し相手になってやるから、辛かったら話ちまえよ。」そう中隊長が言うと、少女は固まったまま目に涙を浮かべた。そして泣きながら、しかしゆっくりと今まで溜まっていたものを吐き出した。

中隊長は時々うなずきながら静かに聞いた。少女は泣きながらしかし少しずつ深い眠りに落ちていった。

目が覚めると朝になっていた。しかし居たのは食事場ではなく宿舎のベッドの上だった。

少女は冷静に考えそして、中隊長が眠りに落ちた少女を宿舎までっ運んでくれたということに気づき、少女はあわてて中隊長室に走っていった。

在室を確認するや否や、部屋に入り頭を下げた。

昨日の非礼を詫びた。

しかし中隊長は「またつらくなったら、来るといい」と言い少女を部屋から追い出した。

少女は中隊長に全てをささげると決意した。

決意したはずだったが、つい一時間前に中隊長は一発の銃弾に倒れ、息を引き取った。そこからだろう、少女は意識がもうろうとし、目の前の敵を刈り取るだけの機械となっていた。

薄れゆく意識の中で考え事をしていたら、いつしか敵の規模は師団から中隊程度まで減っていた。あと少しで仇が取れる。そう思っていた矢先に急に力が抜け、膝から崩れ落ちた。そう、肉体限界である。少女は泣いた。もう少しで仇が取れる、あと少しで敵を片付けられる。なのに一度力が抜けた体に力が入ることはなかった。崩れ落ちてから数秒もしないうちに全身から今まで味わったことのない激痛が走った。全身の血管が破裂し、大量に出血した。もうほとんどない意識のなかでもう一度中隊長に会いたいと考えていた。ふと前を見ると中隊長がそこに立っていた。少女はなぜか立つことができ、中隊長の背を追いかけて長い旅に出た。


戦争が終わったのは、この戦いが終わった2週間後のことだった。いくら強大とは言え、陸地に面する大国、周辺国からの反撃もあり、残った師団も戦族により壊滅した。

戦争終結から、1か月後。戦死者の追悼が行われた。上のほうで衝突があったものの大きな功績が認められ、英雄受勲賞が受賞され、国を救った英雄になった。

これにより、戦族への迫害を悪とする流れが出てきたが、残念なことに戦族は少女が最後の一人となっており、少女の死により戦族は絶滅した。

今でも小高い丘の上には第512歩兵中隊含む、戦死者の慰霊碑と、中隊長、少女の像が立っている。


初の短編小説で初投稿なので、変な言い回しとかあります。ここをなおしたらいいなどの感想をいただければ喜びます。

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