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君の声に惹かれて  作者: 水月
6/6

4-夏ー

3-夏ーの続き


「そういえば、昨日変な夢見たんだよな。」

学校とおおきな公園に沿った今は緑色の輝く桜並木の通学路を歩いていると唐突に龍崎が呟いた。

「どんな夢?」

気になって斜め前に歩く彼に声をかける。皆もそれなりに興味があると耳を傾けた。

「いや、お前らが出てくんだけどよwなんか高崎と藤野と俺。ハインと幸弥と管ちゃんでサバゲーたいなのしててさ」

「サバゲーみたいなのってサバゲーじゃないのかよ?」ハインが皆が思ったであろうことを代表して口に出すと「みたいってなんだ」と隣の管ちゃんが呟いていた。

「いや、なんつーか…サバゲーのチーム分けられてる割に俺ばっか標的にされるんだよw」と笑いながら言う龍崎あぁ、なるほど「「それお前絶対なんかしてるやつやんww」」声がハモリ聞こえてきた方を見ると幸弥君と一瞬目があった。思ったことは同じだったようでww

「やっぱそう思う?wwあ、でも途中で変な声聞こえたな。女の人の」

「え・・・突然のホラーいくないよ?」

怖いのが苦手な私の発言を聞くや否や水を得た魚のように龍崎の目が輝いた。

こういう時の龍崎はろくなこと考えてないと少し距離を取った。そしてそれを面白がっていたのは龍崎だけではなかったらしく…

「あ、高崎後ろ後ろ!」

そういうハインの声にビビり急いで振り向くがそこには私たち同様各々帰路につく生徒たちや違反者や不審者がいないか見回りをする自転車に乗った先生たちがちらほらいるだけだった。

「なにもないじゃ・・・」

といいながら前に向き直ろうとした瞬間

「わっ!!!!」

と目の前に急接近した龍崎が思いっきり驚かしてきた。

「わぁ!!!!!!」

耐性の低い私はもろにそれに驚き大声を上げてしまったため周りの生徒から視線を集める羽目になってしまった。当然とても恥ずかしい。

「お前らぁぁ!!!」

いっそどうにでもなれと思い、いつの間にか結託していた二人に鉄拳を与えようと逃げるあとを追いかけて走った。その背後で「え?走るの?」「だりぃー…」「あー時間余裕もつかー」と各々呟き私より後に走ったであろう藤野君と幸弥君は余裕で二人に追いつこうとしていた。そして管ちゃんもそれなりに早く、私の少し後ろに走っていた。

公道に出たところでガソスタと反対にある自販機の前に私と管ちゃんを残し集まっていた。

「高崎おせぇな!ww」と馬鹿にするハインと龍崎に「お前らが早いんだよ!女子と男子じゃ差が出るに決まってるだろ!」と言い返していると「高崎も飲む?」と藤野君が自販に硬貨を入れていた。

「いいの?」と聞くと「いいよー選んでー」と言われたのでエナジードリンク系統のジュースのボタンを選んだ。「ありがとー藤野君」とお礼を言い即座に飲む。

頭の上の太陽は正午を教えるように真上に位置し、そんな中平均的な男子高校生に追いつこうと猛ダッシュしたため学校から対して離れていない距離ですでに汗だくだった。

「おいしぃーーー!」

冷蔵のきいた炭酸がシュワシュワと音をたてのどを通り過ぎると一気に体のほてりが落ち着きを取り戻した。「皆なんではしるのさー」と顔を真っ赤にした管ちゃんが現れた。

すぐ真後ろにいると思ったら思っていたよりも距離を離していたらしい。

「菅間!お前高崎に負けるなよ!」という龍崎おいマテ、お前また失礼な発言しただろ。

「だって本気だしてないもん。めんどくさい!」

うん君らそろいもそろって失礼だな。と半ば飽きれながら心情突っ込みの嵐だった私は先に歩こうとしているハインと幸弥君に気づき後に続いた。藤野君は私より前に気づいていたみたいだったが管ちゃんにもジュースをふる舞うべく自販機に待機していた。声をかけると後から行くとのこと。

「そういえば二人は今日は部活じゃないの?」

と何気なく前を歩く卓球部の二人の声をかける。

私たちの大半が同じ文化部だが、二人は見た目に反して以外にも運動部だ。

いや、ハインに関してはイメージ通りかもしれない。

「大会の奴らは残ってやると思うけど、俺らはテストもあるしないかな。」

と答えるハイン自分たちはまだ一年だし先輩たちが優先とのこと。

ほどよく相槌をしていると静かになった幸弥君はまた携帯に視線を落としてゲームをしていた。

信号を渡る直前に藤野君と管ちゃんが追い付いてきた。

「あれ?龍崎は?」と疑問を投げかけると二人して「「おいてきた」」

ちゃんと話を聞いていた幸弥君。聞くや否や携帯片手に「逃げるぞw」これまたダッシュ

今度はスタートダッシュが一緒で万全の動きやすい姿にたまたまなっていたのでそこまで置いて行かれることはなかった。目的は龍崎を置いていくことだったためハインと幸弥君がそれなりに抑えて走ってくれたことも一つの理由だと思われる。

それでも遮るもののない畑道。ある程度距離を出したところで立ちくらみを起こした私はその場にしゃがみ込んだ。「高崎大丈夫?」一番に気づき声をかけてくる藤野君の声に気づき前を歩く卓球部が足を止めた。「気持ち悪い?」と心配して声をかける管ちゃんに大丈夫というと後ろからお前らぁ~と走ってくる龍崎がすぐに追いついた。「お前ら待ってくれてもいいだろ・・・高崎どうした?」と動揺する龍崎。

「立ちくらみっぽい」とハインが代わりに答える。

「歩けるか?」と声をかける龍崎に「ぐらぐらする・・・」と答えると「ブレザー脱いだ方がいいかも、龍崎。高崎の荷物持って」と対応してくれる藤野君。

戸惑いながらも「おう」と言って荷物を持つ龍崎。

「高崎、乗って」と背中を向ける藤野君に乗り、おぶってもらうことになった。

「ごめん、」と謝ると「しょうがない、高崎弱いから」と優しく返してくれる藤野君

「調子乗りすぎた、ごめんな?」と謝ってくる龍崎。

「高崎体鍛えろーw」と重い空気を換えようとしてくれるハイン

「無理駄目だよ?」と声をかけてくれる管ちゃん

「・・・」突如首に冷たい感覚が走ったと思ったら無言で冷やしてくれてる幸弥君

改めて、自分の持つ友人男子たちの優しさが嬉しく感じた帰路だった。


実際にあった経験談だったり、作者実は家系の血でアレルギーだったり、軽い喘息もちだったり…

癲癇の疑いが出るほど暑さに弱かったりしたんですね。

いわゆるもやし系です。

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