2-夏-
1-夏-の続き
「そういえば、お前スタフェスもう少しランキング上げろよ〜」
地球温暖化が「ざまぁみろ」とでも言う程に暑かった日差しからようやく免れた途端の龍崎の第一声はそれであった。
「そうは言っても時間無いし…Wi-Fiが常に身近にある訳じゃないからキツイよー」
そう、現代においての携帯=ネットに繋がる正方形の端末。私はアレを持っておらず未だに連絡手段はガラパゴスである。
何故アプリが使えるかと問われればタブレット端末と言われるものは持っている為コンビニや駅等無料で使えるWi-Fiで補っているのだ。
そう言っても聞く耳を持たないのが龍崎な訳で…
「はよスマホ買えやww」
鬼畜である。冷血の極みである。
「オトンが許してくれないもーん。お金無いし」
「わかるでぇ〜高崎!俺もそんな感じやw」
「黙れこーちゃん!ウザイわっ!w」
「えぇぇえええ!!高崎酷いぃぃぃぃ」
「じゃかしいっ!!」
「お前荒山に八つ当たりすんなよ〜可哀想だろ!」
「うるさいのが悪い!」
「お前も十分うるせぇんだよっ!」
「それは……」
いつものパターンだ。
私がこーちゃんを言い負かす。
それをフォローして、龍崎が私を言い負かす
しかしこの流れは…
「うん、お前もうるせぇな?龍崎」
「俺はいいんだよ!(ドヤッ)」
「ほぉ?お前俺に逆らえるのか?じゃあ、早く貸した金返してもらおうか?(ニヤニヤ)」
「スンマセンでした。もう少し待ってください((土下座」
「(笑)」
やっぱり、思った通りだったw
私が言い負かされると何故か幸弥くんが龍崎を言い負かしてくれるのだw
恐らく調子に乗る龍崎のストッパーになるのだろう。いつもそうなので、内心かなり助かってる。
「幸弥くんはなんで龍崎に負けないの?」
「コイツの弱み常に握ってるから」
「でも、私が脅しても効かないよ?」
「「それ高崎が弱いんだよww」」
ハインと藤野くんが声を合わせて幸弥くんが答える前に遮った。
「そんな事無くは…無いけど…(シュン…」
「どっちだよw」
「まぁまぁ、高崎は純粋だから仕方ないw」
ツッコミを入れるハインとフォローしてくれる藤野くんどっちに転んだって私の心には突き刺さる訳で…
「まぁ、お前には無理だな!」
「まぁ、高崎には無理だな」
龍崎と幸弥くんの言葉がほとんど同時に止めを指してきた所でHR5分前を告げるチャイムが鳴った。
「あ、やっべ…俺ら朝から体育じゃん。」
「せやなぁ~」
「ふじーの、俺今日体育着忘れた。次貸してけろー」
チャイム音で思い出したようにめんどくさがるハインとマイペースに反応する藤野くん
二人は同じクラスだからそうなって当然だろう。
「おはよ~」
そしてこの子も二人と同じクラスなわけで…
「菅ちゃんおは~」
「千智ちゃんおはよう~」
このゆるゆるとした彼は菅間新太、通称管ちゃんだ。ぽっちゃとした体にあった優しい雰囲気を漂わせる人だが、こう見えて結構毒舌である(汗)根本的には…いい子なんだけどなぁww
「管ちゃんまでこんなギリギリの時間に登校なんて珍しいねw」
「んーバスがねー遅延したー」
「なるほどw」
管ちゃんは私たちと違いバス通学。前に聞いた話では私と同じ市に住んでいるけれど、もっと奥の方らしい。そんな遠くからバスと考えると電車の方がいいのではないかと地理などに疎い私は頭を抱えてしまうのだけれど…。
「なぁ!管ちゃん今日暇ならテスト終わりにカラオケ行こうぜ!」
管ちゃんと話していたら当然行くだろうとでもいうように龍崎が割って入ってきた。
「いかなーい。勉強しなくちゃ、怒られる」
「はぁああああ!?勉強なんてしなくてもよゆーだろうがよー!!」
とんでもない無茶ぶりだ。お前それでも友達か
「強制すんなよー龍崎ー強制すると俺も行かんぞ?」
管ちゃんの助け舟というよりは無茶苦茶言ってる龍崎を制御するためという感じで藤野くんが会話に参加する。やっぱり面倒見いいなぁー!
引き際はそれなりにいい龍崎なのであった。と一人頭の中で某有名小学生アニメのナレーターが如く解説していると何を思ったか龍崎が話しかけてきた。嫌な予感がする・・・
「お前は来るんだよな?高崎」
どんぴしゃり。誘われるのはうれしいが根本的に単純だと思わないのか。龍崎よ。
「だって明日、日本史あるじゃん。勉強しないと水野腹立つから話なんか一切聞いてないよ」
今更だが、皆さんお察しの通り今は期末試験期間よくテスト期間=遊び期間と思うやつがいるという。
龍崎はそれの典型だと思う。
「いいじゃんかよー行こうぜー」
「金無い」
「出す」
「なら行く」
「よーし」
そしてそれをわかってて行く私も類ともだろう
「龍崎と、藤野君と…他に誰が行くの?」
「ハインと幸弥だよー」
「えー皆行くの?じゃあおいらもやっぱいくー」
私の投げかけた質問に答えてくれる藤野君とそれを聞いて答えを変える管ちゃん
「じゃあ、生徒ホールで集合な!」
「「「「「うぃー」」」」
何処にでもある。
日常の仲間内のやり取り。