82・ヘタレな勇者は帰還決定。
パパ勇者は苦笑していた。
彼は「マモル」が名前なんだけどユウリちゃんだと「ままぅ」になって
しまってたんだそうだ。
いつの間にやら「ぅ」が落っこちてたらしい。
パパなのに「まま」か・・・
まあ・・苦笑もしたくなるよな。
オレに「パパとママはどこかなぁ?」と聞かれれて「まま」はパパ勇者のことと
思ったようだけどパパが分からなかったらしい。
親と同じ「勇者」が目の前にいたのでパパはコレ!ってことにしたようだ。
まあ、抱っこをせがんだくらいだから気に入ってたんだろうけどね。
ちなみにママな前魔王もママじゃなくて「りーあ」と呼ばれてるようだ。
ガブリエラが本名だけどリエラって名乗ってたんだよ。
なんでパパ・ママじゃあないのかね?
「あー・・一応、教えたんだけどね。
オレ達が名前で呼び合ってたらパパ・ママよりそっちを覚えちゃったんだよ。
まさか『マモル』が『まま』になっちまうとは思ってなかったんだ。
色々面倒をかけたようで済まなかったね。
わがまま娘だっただろ?
帰還については心配しなくてイイよ。
オレ達の所の神さまはこういうことに慣れてるからね。
フォローもバッチリやってくれると思う。
ちょっと時間がかかるかもしれないけどね。」
同行者がオレ達二人だけじゃあないってことには驚かれた。
ひと月おきにオレ達の世界からの人間が来てることも。
やっぱりコレは「神さま案件」だったようだ。
けれど彼がもっと驚いたのはナイトさんのことだった。
禁忌の技でオーガに変身した騎士だ。
今までは特別な呪術を手順を踏んで設定やら解呪やらしないと姿は元には
戻せなかったんだそうだ。
隷属の首輪と「人に戻れ!」の命令だけで戻ってたからね。
「ともかく魔王国に帰ってからだな。
ココの王に面会を申し込んであるからソレが済んだら戻るとしよう。
別れを言う相手が居るなら言っておけよ。」
もうね・・素直に頭を下げましたぁ。
弟魔王さまには絶対に逆らわないと誓っちゃうもんね。
パパ勇者のオカゲでお仕置きはなんとか回避できたし・・。
「神さま案件」はお任せにできそうだしね。
ココの王様は病気で死にそうだったんだけどユウリちゃんのアノ歌のせいで
治っちゃったんだそうだ。
もっとも王様だけじゃあなく街中の人が治っちゃったんだけど。
「どうも呪歌になっちゃったみたいだね。
ユウリにとっては意味のわからない不思議なイメージの歌だったんだろう。
歌うときになにかユウリに言ったのかい?」
パパ勇者はさりげなく聞いてくるけど目がコワイよぉ。
う~ん・・大したことじゃないと思ったんだけど・・
ゲンキになるようにって気持ちを込めてジークに歌ってやってくれって、、
「なるほど・・気持ちと一緒に魔力も込めちゃったのかも・・
まあ、次に歌うときはこんな状況じゃあないだろうから呪歌にはならないと
思うけどね。」
歌うたびにあんな効果が出てたら大騒ぎなんてもんじゃあないもんな。
ともかくみんなで元の世界に帰れると分かってホッとしたよ。
オレ、ジーク、委員長、ハン君、ゲンさん。
五人だね。
ナイトさんはココの人だからココの神さまにお願いすることになるだろう。
なのにやっぱり6人だった。
ゲンさんが二人になっていた。
分身の術!?じゃあなかった。
彼が来てから一ヶ月たっていたんだ。
最後に来た人・・ソレはゲンさんの弟さんだった。




