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78・ヘタレな勇者は泣きやまない。1

 気がつけばアノ白い花の咲く草原だった。

前回はポチポチとしか咲いていなかった花が辺り一面咲き誇っている。

そうか・・今度こそアノキラキラリボンの川を渡らないとイケナイんだな。


見回せば周りにも兵士や騎士、冒険者たちがいた。

どうやらアノ飛竜の犠牲になったらしい。

皆、自分がどうしてココに来ているのか納得できていない雰囲気だった。


アノ川はすぐに目に入った。

なのでそちらに行こうとしたらローブを引っ張られた。


ユウリちゃんが泣きながらローブを掴んでいた。


「ぱぱが泣いてうからいっちゃダメなの。

いーんちょがいっちょにいても泣いてうの。

ばぅむがいっちょにいてくれないとダメなの。」

 

泣いてるのは君もだろう・・。

オレのため?・・ジークのため?・・

まあ、どっちでも泣いてるユウリちゃんを見ていたくなかった。


ぱぱをゲンキにしてあげたいかい?


うなづくユウリちゃん。


一緒にお歌を歌ってたよね。

アレはオレ達の故郷くにの歌なんだ。

だからアノ歌を歌ってあげるとイイよ。

ゲンキになって!って気持ちを込めてね。


「ほんと?ほんとにゲンキになうの?。」


ホントだよ。

ゲンキになるから君にも教えたんだよ。

ユウリちゃんがゲンキになるようにね。


じゃあローブを離してくれるかい?

オレはもうあのキラキラリボンの川の向こうに行かないと・・・


「ダメ!!!ばぅむはうーいといっちょにぱぱのとこにかえうの!。」


でも・・オレはもう・・


泣いてるユウリちゃんの顔をみつめながらアノ歌を歌った。

沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」。


ユウリちゃんも半泣きな顔で歌い出した。


一、てぃんさぐぬ花や爪先ちみさちみてぃ

  うやぬゆしぐとぅやちむに染みり

二、てぃんむりぶしみばまりしが

  うやぬゆしぐとぅやみやならぬ

三、ゆるはらふに方星ふぁぶし目当みあてぃ

  ちぇるうやんどぅ目当みあてぃ

四、宝玉たからだまやてぃんみがかにばさび

  朝夕あさゆ肝磨ちむみがち浮世うちゆわた

五、まくとぅする人や後や何時いつまでいん

  思事うむくとぅかなてぃ千代ちゆさかい

六、なしば何事なんぐとぅんなゆるくとぅやしが

  なさぬゆいからどぅならぬ定み

七、らんくとぅ一人ちゅい

  たげぇうじなてぃどぅ年や寄ゆる

八、あてぃん喜ぶな失なてぃん泣くな 

人のよしあしや後ど知ゆる

九、さかいてぃゆく中に  慎しまななゆみ

ゆかるほど稲やあぶし枕ぃ

十、朝夕寄せ言や他所よその上も見ちょてぃ

  老いのい言葉くとぅばの 余りと思うむぅな 


[訳]

一、 ホウセンカの花は爪先に染めて

親の教えは心に染み渡る

二、天上に群れる星は数えれば数え切れても

  親の教えは数え切れないものだ

三、夜の海を往く船は北極星を目当て(目印)にする

  私を生んだ親は私の目当て(手本)だ

四、宝玉と言えど磨かなければ錆びてしまう

  朝夕と心を磨きながら日々を生きて行こう

五、正直な人は後々のいつまでも希望は叶えられ

末永く栄えるだろう

六、何事も為せば成るものではあるが

  為さぬことはいつまでも成らないだろう

七、一人で出来ないことは一人でやらず助け合いなさい

  お互いに補い合って世の中は成り立っている

八、有っても喜ぶな失っても嘆くなそれが良いことか悪いことかは

  後々にわかることだ

九、満たされている時ほど謙虚さを忘れてはならない

  稲穂が実ると頭を垂れてあぜ道を枕にするように

十、老人の朝夕の言には真摯に耳を傾けなさい

  老い先短い者の与太話などと侮るべきではない


多分、意味までは教えていないと思う。

コレは教訓を歌にしてるモノだからまだ難しいだろうしね。


子供は意味の分からないコトでも呪文にしか聞こえないコトでも

簡単に覚えてしまう。

もっともすぐに忘れてもしまうんだけどね。

10番までもあるのにユウリちゃんはほとんど完璧に覚えていた。


最後まで歌ったからもう・・・と思ったら最初に戻ってリピートした。

そうしてユウリちゃんは・・ほんわかと光り出したんだ!。

歌詞と訳はウィキペディアからの引用です。

規定とかに引っかかってないとイイんですけどね。

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