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75・ヘタレな勇者は応援される。

 戦士な彼は浪人中なんだそうだ。

受かった大学が無かったわけではないそうだけどどうしても希望の大学に

行きたくて親に無理を言って浪人してると言う。

まあ・・戻れたら頑張ってください。

戻れたら・・・


奴隷紋は消していない。

一行に女性がいるしハン君も首輪を外していないからね。

本人もソレでいいということだったし。


あ!名前はゲンさんだそうだ。

弟さんはカンさんというそうで「元」と「完」なんだと言う。

なるほど・・・セットなんだね。

なのに一人で来ちゃったのか・・


船旅は天候が良ければ気持ちがイイけど退屈なところもある。

見えるのはほとんど海だしね。

この地方は島だらけだから眺めとしてはキレイだと思う。

それでも陸の方が・・と思ってしまうのはオレは陸の生物だからかな?


退屈しのぎもかねて甲板を借りて修行中だ。

ジークも大分力がついてきたけどやっぱりブキッチョだからね。

手を抜くわけにはいかないんだよ。

無事に魔王国に着けるかどうかなんて保証は無いんだし。


戦士のゲンさんにも修行してもらうことにした。

彼は魔力は少ないけど「戦士」だから伸び代は大きいはずだ。

自己防衛力を上げておくのは悪いことでは無いと思ったんだ。


エルフのエディさんも退屈だったようで色々と指導してくれた。

「レベルが低くてもさすがに戦士だね。

このまま修行が続けられればそっちの剣士ジークくらいにはすぐになれると思う。

ココに残るならこういう訓練は必須だから頑張るんだね。」


ジークはまた落ち込んでいた。

さんざん苦労したのにゲンさんはそれくらいすぐなれるって言われちゃあね。

もっとも委員長が励ましたらあっというまに復活した。

あー・・そこまで現金なヤツだったとは・・

まあ、コレで委員長がジークの特効薬なことがハッキリしたね。


ユウリちゃんはジークを応援してる。

「がんばえぇー。」

うんうん、カワイイなぁ。

中身が要注意人物だって分かっててもカワイイは正義だよね。


退屈なのはオレ達だけじゃあなかったようで乗客たちが見物に来ている。

中には冒険者な方々も居て模擬戦の相手をしてくれたりした。

やっと上げ底でDランクにしてもらったばかりだと言うと忠告してくれた。


「その辺りが一番あぶないんだ。

一人前になったことで安心しちまいやすいからな。

妙な自信を持っちまってかえって慎重に動くことを忘れるヤツも居る。

まあ、あのエルフの弟子なら分かってるだろうけどな。」


エディさんは結構名の通った人だったらしい。

テンプレな絡み方をされなかったのは彼が居たせいみたいだね。


いつの間にやらオレ達は彼の弟子ということになってたようだ。

まあ、否定はしないでおいた。

ココは彼のテリトリーの内だと言っていいと思う。

その辺りは尊重しておきたいからね。


戦士のゲンさんのレベルは目に見えて上がっていった。

ココの言葉はまだまだだけどね。

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