69・ヘタレな勇者はお馬の稽古。
森の道を港に向けて出発した。
道は意外と広い。
馬車二台ほどは無いので対向車が来たらお互い譲り合いだけど。
オレ達が通って来た砂浜とは反対側の海岸を目指している。
コノ島には幾つか港があるけれど中心地な島に行くにはソコが
一番便利なんだそうだ。
エルフリーダーさんが案内係として付いて来た。
ユウリちゃんが王族だということでそうなったらしい。
まあ、護衛兼見張りってところだろう。
名前はエディさん。
彼は中心地の島まで付いて来てくれるそうだ。
女性とユウリちゃんは馬車に乗ってもらった。
オレ達とエルフリーダーのエディさんは馬に乗る。
魔法使いのハン君は乗ったことが無いというのでオレの後ろに乗せてみた。
まあ・・なんとか落ちずに乗っている。
疲れたら女性たちと馬車に乗せよう。
え?・・なんで最初から乗せないのかって?
一応彼は犯人だったからねぇ。
さりげなく、それとなく離しておきたかったんだよ。
首輪が付いてるから悪さはできないんだけどね。
ジークもオレもコノ世界に来るまで乗馬なんてできなかった。
まあ、テレビの競馬くらいしか馬なんて知らないもんな。
騎士団のオッサンたちに仕込まれたんだよ。
世話の仕方からだったんで結構大変だったんだ。
でもまあ、デカイわりにカワイイんだと見習い護衛の時に
分かってたんだけどね。
ジークもオレもまだそんなに上手い訳じゃあない。
歌のお馬の親子のようにポックリポックリ歩いてるわけだ。
港まで三日ほど。
森の道の所々に宿場町もどきな拠点が造ってあった。
一応塀で囲まれていて宿もある。
ココにいるのは元は兵士だったという中年さんだった。
ともかくベッドで休めるのは有り難いね。
宿の食堂の壁にカレンダーらしきものがあったので日付を確認。
そこで妙なコトに気が付いた。
一週間ほどズレている?・・・過去に?!。
エディさんにも確認してみたんだけどやっぱりそうだ。
う~ん・・転送陣は精密なものだから途中で別の魔力が入った
ことで通常とは違う作動になったんだろうか?
途中でバラけて空中スタートだったことがあるってパパ勇者が
言ってたことがあったよな。
過去にズレるなんて聞いたことも無いんだが・・
神さまなら何か分かるのかもしれないけれどオレ達はタダの人でしかない。
一週間ズレてるなら反抗作戦もこれからだろう。
捜索されてないよな・・多分・・・
でもコレってタイムパラドックスってどうなるんだろう?
オレ達一行は今ココの世界で二人づついることになる。
過去の自分と会うなんて想像もできないけどね。
ともかく行けるところまで行ってみるしかない。
連絡が取れても信用されないだろうけど。
あと半日くらいで港に着くという所で襲撃された。
ココの森の魔物はそう強くないはずだった。
でもソイツは強かった。
コイツのせいで森の魔物が騒がしくなったんだと理解したね。
なにしろあの城で暴れてたオーガの上位種だったから!。




