67・ヘタレな勇者は子供と遊ぶ。
確かに彼は犯人だ。
でも渡したくないし渡す気も無い。
「ソイツは海岸で会った時お前らとは一緒に居なかった。
神殿に仕える者でも神殿の奴隷でもない。
お前らがゴーレムを倒したってことは犯人しか考えられんだろう。
ノンキに奴隷を買ってるヒマなんて無かったハズだしな。
この神殿の街への道でソイツの所為で死者が出ている。
それでも渡す気にはなれないと?。」
ソレは魔物による襲撃でしょう?
彼が直接殺したんじゃあないですよね。
森の魔物が今まで弱めのヤツばかりだったので油断してたせい
じゃあないんですか?
彼のやったことの影響かも知れませんが新種だった訳でもないんですよね?。
今まで対処できてたのに今回できなかったからってコイツのせいにしちゃおう
ってのはズルイと思いますけど?
「だが神殿を襲撃した!ケガ人も山ほど出た!。
その責任はどうしてくれるんだ?。」
ケガ人は全員治療しました。
神殿も修復しました。
お詫びも込めてココの神殿に寄進もさせていただきました。
神官さん達は彼が犯人だと知ってます。
許してはいただけませんでしたが理解はして頂きました。
今回の襲撃が神託によるものでしたのでね。
アイテムボックスの中のいろんな品物をできる限り処分して
ココの神殿に寄進したんだ。
交易都市でもらったバザー品も出しちゃったよ。
神殿のためになるならココに寄付していってもオバさん達も怒らないと思う。
もちろんカニ君や魔物の類もね。
神官さん達にはあきれられちゃったけど。
ちなみに神官さん達には犯人君には一年は隷属の首輪を付けて置くように
言われたよ。
まあ・・気持ちは分かるけどね。
「それでもお前たちは牢から脱走した!私達を攻撃して!」
やだなぁ、殺されなかったのが不満なんですかぁ?
ヤレばできたんですけど。
なんでしたらこれから殺されてみますか?
それにあんな所にユウリさまを入れたなんてことがバレたらオレ達なんか
消し炭も残らない目に遭わされますからね。
逃げ出さざるを得なかったんですよ。
「誰なんだ?ユウリさまって、、女性たちのどっちかなのか?」
あー・・子供ですよ。
「子供?・・なんで子供なんかにそんなに気を遣う!?」
女性の一人は専属の世話係の女官です。
あの子の母親は魔王さまの姉君で先代の魔王さまなんですよ。
つまりあの子はアレでも王族だってことです。
まあ、驚くなって無理だよね。
ココは魔王国からみたら辺境の島でしかないから大して注目もされてないだろう。
でも、魔王国はこの世界では一国最強で世界を支配してると言って過言じゃない。
「そそそ・・そんなバカな!魔王国はココからだと西の果てみたいなモノだ!
そこまでの転移ができる使い手がそうそういる訳がない!。」
オレ達は人の国から魔王国へ行こうとしてました。
魔王国からお迎えが来ましたからね。
迎えに来たのは魔王さまの従弟の宰相さまです。
土壇場で邪魔が入ってココまで飛ばされました。
あの人の国はクーデター騒ぎが起きたばかりでいろいろと不安定でしたからね。
連絡さえできれば多分王族のどなたかが迎えに来るでしょう。
魔王さまご自身がおいでになるかもしれませんね。
あの方はコノ世界の中ならどこでも自在に転移できるそうですよ。
「・・・ウソじゃあないんだな・・・
我々が君達を始末してその子がココに居たことの証拠を隠滅しようと
するとは思わないのか?。」
あー・・考えなかった訳じゃあないですが不可能ですよ。
あの魔物のカニ君にすら手こずってましたからね。
中庭で会うことにしたのも万が一捕縛しようとする可能性を考えたからです。
後ろの方が結界を張ろうとしてるのは分かってます。
でもソレじゃあオレでも破れますよ。
コレでも人の国の王都じゃあ一番の魔術師の弟子なんです。
実はちょっぴり・・いや、かなりハッタリが入ってる。x
師匠なギルマスは超一流でもオレはまだソコまでじゃあないんだ。
エルフリーダーさんはなんとか納得してくれたようだ。
コレで上手く行くかもしれないね。
なにしろ神託には彼も入ってたんだよ。
「船・ゴーレム・エルフリーダー」
コレが神託だったからね。
ジークはユウリちゃんと遊んでいる。
昨日は神殿の片付けと修復だったから遊んでなかったもんな。
一緒に歌なんか歌ってるよ。
なんで沖縄民謡なのかは分からんけどね。
上機嫌なユウリちゃんは父親の勇者なアイツをなんて呼んでいるんだろう?
〔ぱぱ〕役のジークを見ながらそんなことを考えてしまった。




