66・ヘタレな勇者は掃除が得意。
奴隷な犯人くんはやっぱり同郷なひとだった。
オマケにやっぱり高校生だそうだ。
この世界に召喚されたけど召喚主は〔勇者〕を希望。
タダの魔法使いだった彼は転移魔法でこの島に放り出されたらしい。
どこから飛ばされたんだろうね?
転移魔法は使用者の実力次第で飛べる距離が変わって来る。
魔王さまや宰相閣下ほどの実力者はそうそう居ないようだ。
それにしても、まあ・・よく生きてたねぇ。
この森の魔物はレベルは大した事はないけどレベル1じゃあキツかっただろう。
「あー・・森の中じゃあなくてちゃんと街の側だったよ。
だけど異世界なんて初心者だったからな。
魔法がなんとか使えるようになったんでソレを使って冒険者なんかしてたんだ。
帰りの手がかりが欲しくて金を溜めて神託を受けた。
〔ゴーレム・破壊・神殿・***の子供〕だった。
だからコレでも頑張ってゴーレムを造って神殿の端っこを壊したんだ。
子供をお前らが連れてたのを見て〔コレだ!〕って思ったよ。
文字化けしてて何の子供か分からなかったんだけどな。」
ふ~ん・・一応気遣いというか配慮はしてたんだね。
ケガ人が山だったけど。
なので次の日は破壊された神殿のお片付けと修復を手伝った。
クリーンやら土魔法やらもう皆で使いまくっちゃったよ。
ジークはどうもお掃除が得意みたいだ。
うん・・得意な事があるのはイイことだよね。
犯人くんにも手伝わせた。
彼のせいなんだから当然といえば当然なんだけどね。
ちなみに彼の呼び名は〔ハンニン〕だ。
オレ達には変な名前だけどココの言葉だと「犯人」という意味じゃあないからね。
どーも、〔真面目なヤツ〕って意味みたいデス・・ハハハ。
オレ達が帰還の為に魔王国を目指していると聞いて連れてってほしいと頼まれた。
まあ・・同郷だしねぇ。
放っとくとまたココの人達に迷惑を掛けかねないもんな。
暴走されても困るし女性陣に迷惑を掛けても困るので彼の隷属の首輪は
そのまま付けておくことにした。
神殿の片付けと修復が終わった頃エルフリーダーさんが面会を申し込んで来た。
受けることにした。
彼はこの神殿の街を守る立場だ。
ならばコチラのある程度の情報を開示して協力を仰いだ方が
お互いの為だろうと思う。
場所は神殿の中庭。
何か有っても逃げやすいからね。
ガーデンテーブルの向こう側に座った彼は
「ソコの奴隷が犯人なんだな!引き渡してくれる気が少しくらいはあるのか?」
と聞いた。




