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61・ヘタレな勇者は必死でガマン。

 迷子だ・・完璧な・・。

ココが何処なのか分からない。

右も左も前も後ろも森だ・・・どっちに行ったらイイのやら。


飛ばされたのは結局、異世界人のオレ達三人とユウリちゃんと

ミーアさんの五人だね。

宰相閣下とアリス様は転移陣から外れてたから。


騎士団にまだクーデター側の連中が残ってたんだね。

でも、たとえあそこにいた全員がやられたとしても王さま側の

有利は変わらないと思う。

多分あのオーガどもは『まだあきらめてないゾ』という意思表示だろう。

まあ、気の毒な捨て駒だろうな。


アリス様と騎士団長が居るから大丈夫だろう。

魔王さまが居なくても・・・

咄嗟にウィンドカッターを放ったけど当たったかどうかまでは確認できなかった。

せめて牽制にでもなってるとイイんだけどな。


ともかく周りを確認することからはじめることにした。

まず索敵をする。限界ギリギリまで。

魔物も獣も居るけどそれほど強くは無いと思う。

多分オレ達でも対応できるだろう。

アイテムボックスにもマジックバッグにもそれなりに色々詰めてあるから

今すぐ食料にも旅行用品にも困らない。


皆を待たせておいて風魔法で上空に上がってみた。

う~ん・・どこまでも森が続いてるねぇ。

もっと上がってみた。

海が見えた。反対方向には山らしきモノも。

距離は同じ位だと思う。


いったん降りて皆と相談してみる。

どっちの方向に行くか・・・


海岸に出てみた方がイイだろうということになった。

ココの世界でも海の恵みを糧としているそうで漁師も多いし

船で貿易とかもしているという。


森を女性や子供と歩き回るのは危険も多いので風魔法で飛んでいくことにした。

オレもジークもできるからね。

女性たちは無理だった。ユウリちゃんは経験がないらしい。


例によってユウリちゃんはジークの背中。

ミーアさんと委員長に手をつないでもらう。

魔力のヒモでも繋いでおいた。

なにが起こるか分からないからね。


一時間飛んで休憩。

ジークは高所恐怖症なのにコワイのを必死でガマンしている。

まあ・・慣れるまでは仕方ない・・。

小まめな休憩を入れることにしよう。


休憩の時にマジックバッグの中身を整理して委員長に渡した。

万が一ハグレても危険を軽減できるように、、

もちろんお金も入れて置いた。


ミーアさんも委員長もアイテムボックスはできなかった。

これからできるようになるかどうかは分からない。

まあ、必要なのは〔今〕なんだけどね。


ユウリちゃんはできた。

う~ん・・この子ってハイスペックすぎるよなぁ・・

レベルは高くないのに使う魔法の威力がスゴイしなんでもできちゃうなんて

勇者並なんじゃあないかと思ってしまう。


ユウリちゃんのアイテムボックスにも色々入れた。

交易都市のバザーのオバさん達のくれたお土産にはオモチャめいたモノもあって

ユウリちゃんの退屈を紛らわせてくれた。


結局、海岸に出るまで半日かかってしまった。

まあ、休憩しながらの移動だったからね。

海岸は砂浜だった。

ずっと先まで続いている。

でももう日が暮れかけていた。

夜の移動は危険と判断して野営をすることにした。


土魔法でドームを満潮でも波が来ないであろう地点に設置。

気温は低くないのでこの程度で大丈夫だと思う。

ベッドまでは準備してなかったけどマットレスはある。


夕食もアイテムボックスから色々出して調理。

やっぱりこういうのは女性の方が慣れてるね。

できない訳じゃあないんだけど自分達も何かしたいと言われるとね。


ジークと交代で見張りをしながら夜を過ごした。

特別な日でなくても海からの日の出はきれいだね。

まあ・・結構おっきな魔物が泳いでるのが見えるんだけどさ。

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