52・ヘタレな勇者は嘆いてる。
闘技場はトーナメントの時とは様子が違っていた。
多分この別荘に居た魔術師は全員動員されてたようだ。
皆で防御結界を張るために・・。
いっそ別荘の外でやったほうが良かったんじゃあないのか?
と思っちゃったね。
勇者アリス様は健闘したと思う。
多人数で張ってるハズの結界でもビリビリくるんだもの。
弟魔王は余裕もありそうに見えたけど油断は見せなかった。
まあ、オレが前回来た時は油断と平常心を失ったことで
実力は上だったのに負けたからねぇ。
アイツは結局、魔道具で勝ったんだけどね。
使ってイイと言ったのは魔王側だったから文句も言えなくてヒョイと出てきた
魔族の神さまに勇者の勝ちって認定をされてしまったんだ。
悔しかったろうと思うよね。
今回は魔道具の使用は認めていない。
魔法はさっきからもうバリバリ使い放題なくらい使ってる。
オレもジークも防御結界を張ってるんだけどあんまり役に立ってる気がしない。
ジークはココの世界に召喚された理由がアノ魔王の討伐ってことだったのを
思い出したようで、ブツブツと嘆いてた。
「ムリ!・・・ムリ、ムリ・・・
アレを討伐なんて夢でもムリだよ・・
アリス様でもあんなだもんなぁ・・
オレなんてムリ以外の何ものでもない。」
そうだよなぁ・・お前もう一回殺されてるからな。
リベンジなんて考えるだけムダだって分かってくれて嬉しいよ。
ユウリちゃんのパパ勇者は3時間ほど戦ったあと魔道具を使って勝ったんだけど
もう体力が限界近かったハズだ。
アリス様はそこまでの体力は無かった。
魔力はあの時のパパ勇者よりは上だと思う。
魔法の威力もかなりのモノなのは防御結界がそろそろ限界だということを
見ても分かる。
でもやっぱり弟魔王のほうが戦闘慣れしてるというか・・・
実戦の経験がどれくらいかは分からないけどこういう試合経験は
向こうが上だと思う。
結局、2時間ほどで決着がついた。
アリス様がギブアップしたからね。
弟魔王さまも満足されたようで上機嫌だった。
「ユウリの父親が来た時には相手をしてもらってるからな。
実戦はほとんど経験無いんだが摸擬戦はお前より多いだろう。
また、相手をしてもらえると嬉しいな。」
あー・・そうか・・・
パパ勇者はアノ体育館の利用者の中じゃピカイチだ。
色々あったらしくてレベル1に戻ったとか言ってた頃もあったけど
あっという間に元に戻っていた。
何をどうしたのかはオレなんかには分からなかったけどね。
アレが稽古相手だったら前回来た時よりレベルアップしてて当然だよなぁ・・
あー・・でもレベルアップすると子供ができにくくなるか。
なるほど・・大臣たちが気をもむ訳だ。
お見合いパーティも終わったので令嬢たちは魔王国から
お土産を山ほど頂いて帰って行った。
王女の一行も帰ろうとしたんだけどそう簡単には行かなかった。
弟魔王に内密に引き止められたんだ。
王女の国でクーデターが起きたと言う情報が入ったからと!。




