50・ヘタレな勇者は気付いてない。
魔力が少し戻って来たので回復魔法を使った。
ジークにも。
どうも魔力の回復はオレのほうが早いみたいだね。
ユウリちゃんは・・うん・・元気でーす。
お腹が空いたとユウリちゃんが言うので女官のミーアさんが
夕食を手配してくれた。
皆で一緒に晩御飯。ミーアさんも。
元魔王ママがお留守のときもあるそうでそういう時は女官のミーアさんが
お相手してるんだとか。
まあ、ちっちゃい子は誰かと一緒の方が食欲が湧いたりする。
一人メシが悪いとは言わないけどみんなで食べると余計に
美味しいと感じちゃうからね、大人でも。
ユウリちゃんがもう一度眠りについた頃、魔王さまとアリス様が帰って来た。
パーティは無事に終わったようだ。
「待たせたかな?まあともかく詫びを言う所からだな。
済まなかった。
まさかあの程度であんなことになるとは思ってなかったんだ。
どこかでアイツみたいに思ってしまったのかもな。」
アレは最強勇者の一番弟子なんです。
ヘタレなコイツじゃあ比べものにもなりません。
だから無視しといて下さいってお願いしたんです。
「おかげでヒドイ目に遭ったよ。
ユウリが癇癪を起こしちまって部屋はズタボロにされるし
魔力弾を叩きつけられるしパーティにも遅れたし・・・
攻撃的な魔法を使えるとは思ってなかったんだ。
よっぽどショックだったんだな。」
なぜですかね?
昨日と今日しかお付合いしていないのに、、、
「父親はたまにしかココに来られないからな。
それが影響してるのかもしれない。
気に入ると黒髪黒目に勝手に変えてしまうんだよ。
さすがに「ぱぱ」って呼ばれたヤツは居なかったんだが。」
共通点は〔勇者」ってことぐらいしかありませんよねぇ。
でも案外とその辺りかもしれませんね。
「私も勇者なんだがね。ママとは呼ばれなかったな。」
あー・・アリス様も勇者ですけどね。
ママは魔王さまの姉君で元魔王さまですからね。
〔勇者〕じゃあないんですよ。
「お前は魔術師のくせに回復魔法が使えたんだな。
意外過ぎて驚いたぞ。
私が認定してやるから今日から賢者を名乗れ!。
あれだけ使えるのに賢者じゃあないなんて詐欺だからな。」
神官ほどの威力も無いですし魔力もかなり喰われてます。
賢者だなんておこがましいですよ。
「ふん。謙遜なんぞしなくていい。
神官でもあれだけ連続でできるなんてのは聞かない話だ。
覚悟を決めて名乗っちまえ!言ったもん勝ちさ。」
はぁ・・自信無いんですけどね。
それより気になるのはユウリさまのあのスキルです。
死人を生き返らせるなんてレア過ぎてかえってアブナイと思うんですけど・・。
「あんなのをユウリが持ってるなんて思わなかった。
オレ達の一族にはああいうスキルを持ってるヤツは居ない。
多分父親のアイツがそういうのに縁があるのかもな。
両親が来たら話してみることにするよ。
何か知ってることがあるかもしれないからな。」
「オレって死にかけてユウリちゃんに助けてもらったってことなのか?」
あー・・なんでベッドで目覚めたか気付いてなかったんだ。
お前・・あのキラキラリボンの川と白い花の草原を覚えてないのか?
「う~ん・・アレって夢じゃあなかったんだ・・。
そーいえばあのキラキラ光ってた川をお前が見るな!って言ってたんだよな。
ユウリちゃんに〔ぱぱ!〕って呼ばれたら草原が消えちゃって
気が付いたらユウリちゃんとベッドの中だった。」
「ユウリがお前の服を捕まえて離さなかったんだ。
仕方ないのでお前と一緒のベッドに入れた。
殺そうと思った訳じゃあ無かったんだが殺しかけたからな。
多少の譲歩というヤツだ。」
「でもイイんですか?。
小さくても王族の女性なのに一緒のベッドなんて・・。」
さすがにアリス様は女性なだけにそういう所への気遣いがあるね。
「あー・・そうか・・ユウリだけじゃあないんだがココの世界の魔族は
人族とちがって幼い頃は性が確定してないんだ。
だいたい10歳くらいまではどっちでもないんだよ。
お前らんとこの魔族はどうか知らんがな。
まあ、どっちにしてもミーア以下の連中が見張ってる。
不埒なことは起こりようがないって訳だよ。」
オレもジークも驚いて顔を見合わせてしまった。
だってどうみても女の子にしか見えなかったんだよ!。




