40・ヘタレな勇者はミミズののたくり。
旅は今日で五日目だ。
予定ならちゃんと街に着いて宿のベッドで寝られたはずだが
今夜は野営だ。
魔獣の襲撃に遭ったりしたので遅れてる。
護衛の騎士や兵士はみんな顔見知りだし実力も保証付きだ。
アリス様もいるので撃退にはさほど時間はかからないけどやっぱり行列だからね。
動いたり止まったりすると余計に時間がかかるんだよ。
アリス様は王女と一緒に馬車で休まれている。
オレ達は一応テントがあるけどまあ大した代物じゃあないね。
元の世界の高機能テントなんて夢のまた夢だ。
勇者は手紙を書いていた。
心配性の王さまは毎日どこにいるか伝令をださせてるそうで
みんな伝令についでの手紙を頼んでいる。
王都の中だけの郵便組織がちゃんとあるんだそうでそこへと
届けてもらえばあとはお任せだそうだ。
街の外への手紙は商人にそちらの街の郵便組織まで届けてもらうらしい。
ジークの手紙の宛先は委員長だった。
オレ達の世界の言葉で書いた手紙・・
彼女を励ましながら旅の様子なんかを書いている。
あー・・意外とマメだったんだな。
でもな、なんだよ!この暗号にしか見えないヘタクソな字は!。
コレが女の子に出す手紙かよ!
見るな!だってぇ!?見たくないよそんなの!
彼女だって見たくないと思うゾ!そんなんじゃ!!
・・・あー・・スマン・・悪かった・・悪かったよ。
うん・・上手下手じゃないよな・・気持ちだよな。
代筆してくれって・・ダメだよ・・下手でもそういうのは自分で書かないと。
分かった・・お手本を書いてやるからソレをマネしてみろ。
下手でも丁寧に書くのが大事なんだゾ。
気持ちを込めて丁寧に書いてると味のある字になってくるって
ガキの時に行ってたお習字の先生が言ってたからな。
オレもギルマスと受付嬢に手紙を書いてみた。
まあ、大したことを書いたわけじゃあない。
彼女のことをお願いすることと旅の様子なんかを書いてみた。
でも宛先を書こうとして気が付いた。
名前・・知らなかった・・。(汗。)
ギルマスはギルドマスター宛てで届くだろうけど受付嬢は
彼女だけじゃあないしねぇ・・。
ところがジークのヤツはちゃんと名前を知ってやがった。
う~ん・・コイツって女性のことはマメなのね。
受付嬢の名前はマリエさん。
うん・・なんだか和風っぽい感じもするよね。
ちなみにギルマスはルドルフなんだそーだ。
ハハハ・・・サンタのソリを引いてる赤鼻のトナカイだね。
ちなみにギルマスの鼻は赤くないよ。
そうして夜は更けていった。
そのまま何事もなく目的に着けるハズ・・だったんだけど。




