39・ヘタレな勇者は分からない。
結局、委員長は受付嬢が預かってくれることになった。
受付嬢は元はギルマスが買った奴隷だったそうだ。
親に借金のカタに売られたんだと。
ギルマスは親の介護の為に買ったんだという。
親御さんもしばらくして亡くなったんだそうで彼女は解放を
してもらえたんだそうだ。
そうして人手不足だったギルドの従業員をそのまましてると言っていた。
「文字も読めなかったのよ、最初はね。
だから何もできない彼女もきっと何でもできるようになると思うわ。
今は大変だとは思うけどね。
私はギルドの寮住まいだから彼女もソコに居てもらおうと
思うけどいいかしら?。」
もうただただ頭を下げた。
安全が確保できればそれだけでもイイと思ってた。
受付嬢はいろいろ気遣いのデキる人だと思う。
一応依頼という形にしてもらった。
彼女にかかる費用がどうなるかも分からないからある程度のお金を預けて
費用と報酬ということにした。
アリス様の魔獣退治にお付合いしてるからソレナリのお金は
オレ達も持ってるからね。
勇者はどうして彼女だと一目でわかったんだろう?。
あの溌溂とした彼女ではなくなっていたのに・・
「分かんないよ。自分でも。
学校の彼女は元気が良くてみんなに好かれてた。
オレは置物みたいに無視されてた。
羨ましかったのかもしれないな。
あの店で彼女が目に入った時きれいな花瓶が落ちて割れるのを
見た時みたいなショックを感じたんだよ。
ソレで動けなくなってたんだ。」
コイツがこんなに長いセリフをしゃべるなんて今まで無かったと思う。
文句以外のコトも言えるのか・・
委員長のオカゲでコイツはまた一歩成長したのかもな。
委員長にはしばらく隷属の首輪を着けて置くことになった。
奴隷からは解放したけれど自由に行動できる能力は無いから。
受付嬢の指示に従うように命令しておくことにした。
アリス様が城から外出する時には寄ってもイイと許可が出た。
必ず寄ろうと思ってたんだけど・・
王女がお見合いの為に魔王の別荘に行くことになったんだ。
勇者アリス様は護衛として付いて行くことに・・
オレ達も当然お供として・・
なのでオレ達に何か有ったらギルドに預けてあるオレ達の金が
彼女に渡るように手配してもらった。
無事に帰ってくるつもりではあるんだけど・・




