4・ヘタレな勇者は魔法ができない。
紙玉打ちは集中力を上げるための訓練だった。
勇者が気づかないように棒の重さをちょっとづつ
重くはしてたんだけどね。
それでもまだ木剣を振れないんだよなぁ・・
もうドンダケなんだよ・・
三日目あたりで魔法もやってみたいと言い出したのでココの
世界の専門家な魔術師に指導をお願いした。
どうも剣ができないなら魔法を・・と思ったようなんだけど。
先生・・怒って帰っちゃった。
ココの住人はどーやら半日もあれば魔法を発動できるらしい。
子供でも・・・
できない子もなかにはいるらしい。
でも魔力を感じ取ることはできるそーだ。
でも、コイツは・・・
オレ達の所は魔法は無いことになってたからそういうのは
お話だけだもんなぁ。
アイツはゲームとかをしたことは無いのかね?。
無いらしい・・。
フツーあるだろ!と言ったら親がゲームを目の敵にしてたと。
なので他の連中と話が合わなくてボッチだったらしい。
なるほど・・
クラス内社交の重要要素だもんな、ゲームとテレビは。
あ!あとはマンガもか・・。
今時めずらしい厳格な親ってヤツなのか?
それでも成績がよければそれなりに一目置かれるはずだけど
コイツはそんなに良くない・・というか底辺だ。
空気なみに無視されてても無理ないか・・・
集中力は紙玉打ちで多少なりとも上がってるハズだ。
となるとイメージか・・。
『集中とイメージは魔法には特に重要だと思う。』
勇者なアイツが言ってたんだよな。
アイツは魔法が得意だった。
何でもできる勇者だけど特に魔法が好きで得意だったんだ。
アイツの言う通りイメージが上手く行ってないんだろう。
ゲームでもしてればイメージは簡単なんだろうけど。
レベル1でも多少体力は上がって来た。
レベルが上がらないとステータスも変化しないかと思ったけど
レベル内にも幅が有って多少の変化はココだとあるようだ。
魔力は伸びてないけどゼロじゃあないからやってみるか・・
ということで勇者の道場「体育館」で聞いた発動法を
試してみることにした。
オレって教えたことなんてないんだけどな。
何度か目の前で火魔法を使って見せた。
見るのも勉強だからな。
相手と両手をつないで輪を作る。
変な顔してんじゃあねぇ!
オレだって男と手なんか繋ぎたい訳じゃあねぇんだ!
微量の魔力を流してオン・オフを繰り返す。
なかなか感じ取れないので時間がかかったけどな。
そうして自分の持ってる魔力を意識させる。
それをコッチから半ば無理矢理動かして循環させた。
動きを感じられたところで自分で動かさせる。
焦りは禁物なんだってオレも分かったよ。
自分で動かせるようになってから自分だけで両手でボールを
持ってるように構えさせてソコに魔力を留めさせた。
なかなか溜まらないとも思ったけど・・
少し溜まったかなぁ・・
と思ったところで〔ファイア〕の呪文を唱えさせる。
・・・まあ・・豆電球だな。
それでも発動はできた。
コッチはグッタリ疲れたよ。
先生って疲れるもんなんだと悟ったね。
学校のヤな先生が頭に浮かんで何とも言えない気持ちに
なってしまった。




