35・ヘタレな勇者はドヤ顔してる。
受付嬢はさほど魔力のある人ではない。
でもオレが教えたマーカーの魔法はできたので嬉しそうだ。
「他にもなにか私でもできそうな魔法はないの?。」
と聞かれた。
ココの世界の人達はほとんどの人が魔法を使えるけど魔法使いのレベルまで
行く人ばかりじゃあない。
受付嬢もその一人だね。
「体育館」の連中から色々教わったのを試してみた。
生活魔法の類なら安全だし魔力が少なくてもできるからね。
交易都市の支神殿でつかったクリーンの魔法はココには無いモノだったようで
随分喜んでくれた。
自分に掛けてもイイし部屋とかも清潔にできるからね。
コレもできる範囲は魔力量と慣れで広がるんだ。
この国の人は生活に魔法を使おうとはあまり思ってないみたいで
ライトの魔法くらいだった。
魔法使いは大抵冒険者とか貴族の護衛・軍隊なんかに居て
魔法は戦闘用に使うモノって思ってるようだった。
迷子発見の魔法を応用して採取依頼をこなしてたと教えた。
コレにはギルマスまで反応して来て怖かった。
ギルドにあった薬草で実演。
アチコチの机の上に一本ずつ置いて手に一本持ったまま呪文を
唱えるとそれぞれの薬草が光って見える。
受付嬢もギルマスも試してみたけど軽く成功した。
迷子を捜すときには子供の持ち物なんかでやるとイイんだ。
子供を発見するための魔法なんだよ。
子供の他は植物系が反応がイイみたいでーす。
魔物はあんまり反応しなかったと思う。
索敵のほうが確実だね。
「コレ、、採取依頼を受けてる新人達に教えてもいいかしら?
なかなか依頼数まで行けない子たちも居るのよ。」
あー・・別に構いませんよ。
採り過ぎと採ってる時に周りに注意することを忘れないように
言ってやって下さい。
夢中になってて魔物に気づかなくてビックリってのをやっちゃいましたからね。
実をいうとビックリしたのはジークだったりする。
でもコレは内緒内緒。
バラすとまたスネるからね。
コノ国って戦争したりしてないのになんで魔法は戦闘用のモノだと
みんな思ってるんだろう?。
魔力は少しでもできる魔法は結構あるんだけど。
「今は戦争してないんだけどな。
魔王国とじゃなく他の人の国と小競り合いをやりまくってた。
今の王になってからだな。沈静化したのは・・
アレでも結構優秀なんだぞ。
王女の縁談じゃあ難儀してるようだがな。
しっかしお前って妙なコトに詳しいなぁ。
友人の勇者って強いんだろうにこんな細かいことまで教えてくれるって
随分マメなヤツなんだな。」
召喚回数がなぜか他の勇者達より多いヤツなんですよ。
いろんなところに行ってるのでいろんな目に遭ってるみたいです。
魔法が好きなヤツなんでちょっとした魔法でも大事にして
色々工夫なんかしてましたよ。
生活魔法は魔力が少しでもできるのでレベルが低かったジークにも
教えるのが楽だった。
コントロールに失敗しても被害が少なかったしね。
なので「オレはできる!」と自慢してやがる。
あぁあぁ・・そんなドヤ顔・・ハズイだろ!。
まあ、コイツにできるんなら新人の冒険者でも大丈夫だと
受付嬢とギルマスは確信してくれたよーだ。
受付嬢の提案で王都の新人冒険者には研修が設定された。
多少の戦闘訓練と体力訓練、採取依頼のための迷子発見の魔法、
そして魔力が少なくてもできる生活魔法。
ランクの低い冒険者だけでなくベテランもほんのちょっとの研修で
習得できたので生活魔法はあっという間に広まったということです。
よかったね。




