29・ヘタレな勇者は名前負け。
オレ達のギルドカードに載ってる名前は実は偽名だ。
城の連中は勇者の本名を知っている。
なので偽名で登録したんだ。
勿論ギルマスと受付嬢には教えてある。
まあ、そういうことはよくあることだそうで大した問題でも無いらしい。
実家の名誉に関わるとかってことがあるそうだ。
オレは実は城でも本名は名乗っていない。
異世界だとホントの名前・真名を知られると相手に支配される
なんて話があるからね。
まあ、名前はバレなくても隷属の首輪を着けられちゃってたんだけど。
一応偽名を付けるときに勇者にも希望を聞いたんだよ。
ジークフリートって言いやがった。
コイツがそんな名前をよく知ってたなぁって思ったね。
ジークフリートはドイツの英雄叙事詩の主人公で竜殺しだ。
竜の血を浴びた不死身なヤツだけど背中に一か所だけあった
弱点を突かれて暗殺された。
いくら強くても暗殺されたんだ。
縁起が悪いけど本人の希望なのでジークにした。
完全に同じだと同じ運命がやって来そうな気がしたからね。
日本のおまじないにはわざと完璧にしないでおくってのがあるんだよ。
完成したとたん滅びへの道へと足を踏み入れることになるから
完成の一歩手前にしておくとかちょっと間違って造りましたみたいな風に
しておくとかね。
まあ、どっちにしても勇者には名前負けだよね。
オレはコイツがジークなんでバルムにした。
英雄ジークフリートの持ってた名剣バルムンクからだ。
長いのは好きじゃないし名剣ってほどの実力なんて無いしね。
コノ異世界でもそれほど違和感とかは無い名前だそうで特に
目立ったリはしなかった。
ヒマつぶしの魔獣討伐を済ませたアリス様に付いて城に行く。
事前に許可を取っててくれたそーで多少の尋問みたいなモノを受けたけど
問題なく滞在許可が出た。
まあ、ギルマス大先生の推薦状付きだったしね。
知ってるのは王さまくらいのハズ・・だったんだけど速攻でバレた!。
オレに剣の稽古を付けてくれた副騎士団長だ。
ジークと二人で捕獲されて尋問とあいなった。
さて・・コレはどーやって誤魔化したもんだろうねぇ。




