閑話・見習い護衛に雇ってくれた商人さん。
見習い護衛を雇うことは珍しくない。
アレは冒険者ギルドの新人育成プランだから雇うとはいっても
協力してやるようなモノだな。
ベテラン護衛が10人ほど居るから必要ないと言えば言える。
だけど今回は充分過ぎるほど元は取れたね。
索敵を持ってるヤツが護衛の中に居るってのはどれだけ有利か実感できたよ。
護衛達の負傷も少なかったと思う。
だけど回復魔法まで持ってるとは驚いたなぁ。
確かに神官よりは威力が弱いし時間もかかってた。
だがまだ新人だ。使えるようになって間がないらしい。
それでも馬のあれだけの傷は無理だと思ったんだが、、、
結局、魔力切れを起こしてひっくり返ったんだ。
馬はオレ達商人には大事な道具で財産でもある。
でも護衛達にはどうでもいい代物だろう、馬車馬なんてな。
だがアイツは
「あの馬には懐かれちゃってましたしね。
見習い護衛のオレよりもベテランさんや馬のほうが隊商には重要ですから。」
なんて言いやがった。
賊とはいえ人を殺したのも初めての新人にしては分かってるヤツだったんだな。
回復魔法の代金も要らないと言うので皆に配った金一封に少し
色を付けて置いた。
相棒がスネてるのが可笑しかったが上手いコト宥めてたな。
交易都市は流行り病が出ていた。
アイツはウガイと手洗いで移りにくくなるという。
まあ、金のかかることじゃあないので商業ギルドにいた連中にも教えて置いた。
後から聞いたが結構効果があったらしい。
商人仲間の病人は少なく済んだそうだからな。
オレ達の隊商からは病人は出なかった。
ということはオレ達が病気を運んだりはしなかったということだ。
人の移動で病気も移動してることはよくあることだ。
オレ達商人は移動するのが仕事だからな。
商品を運びたいんであって病気を運びたい訳じゃあない。
何より自分が病気になったら商売どころじゃあないからな。
金もかからない予防法は有り難い限りだ。
ギルドのアノ受付嬢はああ見えてやり手だ。
ランクを上げても大丈夫かどうか見てくれと頼んできてた。
魔術師は大丈夫だと思う。
周りをよく見てるし配慮もできる。
剣士はまだまだだとは思うが魔術師が側に居るなら充分上のランクで
行けるだろう。
今回は見習いだったが次回はちゃんと一人前扱いだな。
今回でランクが上がっても一人前扱いのDまでは行かないが
あの様子ならそれほど経たずに上がると思う。
護衛のリーダーも気に入ったようで
「次に会うのが楽しみなヤツは久しぶりだ。」
と言っていた。
優秀な護衛が増えるのは商人には有り難い限りだ。
護衛リーダーの保証付きとなればアノ受付嬢にもイイ報告ができるよな。
期待の新人がみんなの期待に応えてくれることでも祈っておくかね。




