17・ヘタレな勇者は子供に負ける。
慰労会にも誘われて晩御飯をみんなと一緒にいただいた。
護衛の仕事の見習いでコノ交易都市に来たと言ったら
「ガンバレ!。」と励ましてくれててんこ盛りに盛り付けられた。
オイ!だからって喰いすぎだぞ!
何回おかわりすれば気が済むんだよ!。
まあ、オバさん達は笑ってくれたけどね。
三日目は子守だった。
ただし30人ほど。
初級学校なのだけれど先生が何人も流行り病に倒れたと。
回復魔法はケガと体力を回復させるのにはかなり効く。
でも病気は体力回復をさせておくくらいだね。
どうもインフルエンザに似たヤツらしい。
子供達はまだ発病してないそうなのでウガイと手洗いをすると
移りにくくなるようだと教えた。
まあ、ココの病気にどこまで通用するかは分からないけど。
勉強は中断していた。先生がいないからね。
でも学校はどうやら保育施設な面があるらしく仕事を手伝うほどの
歳でない子はココに預けて置くってことらしい。
まあ、仕事の内容説明も子守だったしね。
ココの遊びは鬼ごっこやカクレンボみたいなのが主流だった。
なので体を使う遊びがイイかも・・と思っていろいろと教えてみた。
ダルマさんが転んだとか馬跳びだとか・・ね。
道具の要らない遊びはすぐできるからイイね。
ちなみに魔法は10歳になってやっと使用の許可がでるそうだ。
もちろん10歳以下でもできる子はいるんだけどあまり早いと
体とのバランスが取りにくくなると言う。
まあ、健全な体を造ってからということらしい。
校庭の隅で女の子たちが細長い葉っぱでカゴを編んでいた。
丈夫そうだったのでボールにしてみた。
東南アジアで盛んなセパタクローは籐でできたボールを使って
バレーボールのようなゲームをする。
サッカーのように手を使わないで頭と足でするバレーボールかな。
あんな感じの直径15から20センチくらいのを造ったんだ。
まあ、ゲームまでは一日では無理なのでリフティングや
ヘディングをしてみせた。
ちょっとストリートパフォーマーな気分だね。
ココの子供たちは結構器用ですぐにできる子が出てきた。
すると競争心に火がついちゃったんだね。
もう夢中でリフティング三昧になっちゃったよ。
できない子もいるので的当てゲームをさせてみた。
リフティングができなくても命中率の高い子もいるんだね。
コッチも夢中になっていた。
勇者はこういう遊びはしたことがなかったようだ。
まあ・・子供に負けてるねぇ。
子供たちはできないことでかえって親近感を持ったようでオレより懐かれていた。
半日のはずが結局一日お付合いしてしまった。
まあ、楽しかったからいいんだけどね。
明日にはまた王都に戻るので子供達にはお別れを言う。
「また来たら遊んでね。」と言ってくれた。
勇者は小さい子の相手をしたことが無かったようだ。
う~ん・・同じ年齢でなくても仲間でなくてもお付合いって
普通あるハズなんだけど・・
コイツの元の世界での生活って家と学校だけだったのか?
まあ、プライバシーだからあんまり踏み込むのも考え物ではあるんだが・・・
ほとんど空気だった勇者の元の世界の生活がなんだか見えた気がする
魔術師くんなのでした。




