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人間はあまりにも訳がわからないと笑うしかない

東京の家賃はいくらくらいですか?

安すぎるだろとか高すぎるだろとか意見がある人は感想に書いてください

 そんなわけで俺と義人の共同生活は始まった。

 俺は宇喜多がいたことを思い出し急いでドアを開けた。まだ宇喜多が立っていた。宇喜多は何にも状況が飲み込めていないようだ。宇喜多は俺が東京に来てからの付き合いなので俺に彼女がいたことすら知らないのだ。

「俺はどうすればいいんだ?」

宇喜多は俺にきいてきた。

「とりあえず俺の部屋に入れ。」

宇喜多と俺は俺の部屋に入った。義人はもう部屋に入っている。

 俺の部屋は台所に六畳間それに風呂とトイレがついた築二十年のアパートだ。家賃月六万。六畳間で初対面の親子で二人だけは気まずい。宇喜多は自他ともに認める明るいやつだ。二人だけよりはましだろう。 俺らが部屋に入ったことに気付いた義人は言った。

「思ったよりも部屋がキレイだね。」

思ったよりもはいりますか?この子には人はいらだたせる才能があるのでしょうか?

 俺は切れそうになる自分をなんとか抑えて大人の余裕をみせようとして少し笑顔で

「そうだろ」

と短く答えた。しかし社会経験が無に等しい三十二歳よりも父親がいないことで辛酸をなめてきた十歳の方が上手だった。 俺の顔を見て笑いをこらえている。宇喜多がこらえられずに暴発した。それをきっかけに六畳間に二人の笑い声が響きわたる。俺も何だかおかしくなってきて大笑いをしていた。だってチャイムが鳴ったら十年前に別れた女との子供もらしきやつと会って一緒に住むことになるなんてまったく思っていなかった。突然すぎてもう笑うしかない。笑いすぎて息が苦しい。三人とも狭い部屋で転げ回りながら悶えている。笑いが笑いを呼んでなかなか笑いが止まない。誰か知らない人が見たら薬でラリってるように見えただろう。

 五分間くらい笑い続けた後涙を拭っていたら、チャイムが鳴った。そういえばもう一人呼んでいたのをわすれていた。

「行か」

宇喜多が言った。俺はうなずきドアを開けた。行が入ろうとして子供靴をみて足を止めた。

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