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人生をが変わるのを告げた音はチャイムだった
俺は三十二歳、独身、無職、年老いた両親からの仕送りで日々の暮らしをしのいでいる。いわゆるニートというやつだ。
大学は一応出た。しかしたいしたことのない大学で遊び呆けていた俺には就職先なんかなかった。 しかも太っていてかっこいいわけでもない俺には彼女だっていないときの方が長かった。長かったというより十年前に少し付き合っていた人がいただけでそれ以外に女性関係なんてなかった。
今日は久しぶりに親友と会う。なぜ久しぶりなのかというとそいつは三ヶ月前から真面目に働いているのだ。チャイムが鳴った。今思えばこのチャイムが俺に俺の人生が変わることを告げていたのかもしれない。