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道をたどり



 親子とわかれて、田んぼをすぎ、そこにながれる小川沿いにゆるい坂をのぼってゆく。




 集落の家のつくりや、オチョウの母親がきていた着物からゆくと、この集落はなかなかいい暮らしをしているようだ。どれも、それほど古くもなく手入れがされ、田んぼのアゼ道まで無駄な草は生えていない。



 こりゃ、寺のほうもいいんじゃねえか


 旅をしていると、坊主もいない荒れた寺がよくあり、屋根がのこっていれば勝手にあがって寝ることもあるが、なかには化け物がすみついている噂があったり、ぞく住処すみかとしているところもあって、まちがってもぐりこんだヒコイチは、なんどか冷や汗をかいて逃げ出したことがある。


 だが、この集落の者たちが大事にしている寺ならば、きっときれいでしっかりした寺だろう。




 たどっていた道の両側が木々でおおわれだし、急に暗くなる。



 みあげた木の枝には、もうあまり葉はついていない。


 それなのに、下の道に枯葉が積もっていないことに気づいた。




   「旅のお方か」



 とつぜん声がして顔をあげると、すぐむこうで竹ぼうきをもった大きな男が、手をとめてヒコイチをみていた。



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