表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/25

かえされた鞠(まり)



  「かえして」


 後ろにいたこどもが、まだ顔をしかめたまま、ヒコイチにまた言った。



 ああ、とからだのむきをかえてしっかりとむきあいまりをわたすと、ちいさな両手でそれをうけたこどもが、なんだかほっとしたように息をついた。

「あんた、いいほうのひとね」


「はあ?なんだかえらそうな口をきくガキだな」


「あんただってガキでしょ」


「あのなあ、おれアじぶんのくいぶち稼げるんだぜ?お嬢ちゃんは鞠で遊んでても食うのにこまったこたアねえだろ?」


 こどものきている赤い着物は布は古そうだが仕立て直してあるようだった。母親の着物をつかってあるのかもしれない。それに、草履も足もきれいだし、鞠は絹糸で模様をまきつけて縫う、手の込んだものだった。


「鞠で遊んでなんかいないもの。この鞠はね、」



   「オチョウ、どうしたんだい?」



 こどものうしろのほうから、よくとおる女の声がした。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ