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かえせといわれてかえれたはなし  作者: ぽすしち
 旅

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25/25

すえられた《番神様》

ここで終わりです



   ― 旅 ―






 ヒコイチは、山のふもとの《番神様》の前に立っていた。




「・・・えっと・・・」


 そうだ。『親分』だとか『組』だとかうるさいことがつづいたので、こんどはすこし山の奥のほうへ行ってみようとおもったのだ。



「それで・・・?ここか・・・」

 

 山に続く細い道をみあげてから、その入り口になるところにたつ《番神様ばんがみさま》の石の像をみる。

 古そうだが、しっかり作られた木のお社におさめられた《番神様》は両側に狛犬のようだが、みたこともない細いからだのけものと太いからだの獣に守られている。


「へえ、めずらしい《番神様》だな」

 おまけにその獣は、鞠にのっているようだ。



 ふ と。


 なぜか、あざやかな色の糸でつくられた鞠がおもいうかぶ。




 いや、ヒコイチは鞠であそんだことなんてなかった。



 なんだか変なかんじがして首のうしろをかく。べつに寒気はしない。



 もういちど《番神様》をみて、そのまえに膝をつき、しっかりと両手をあわせた。



 立ち上がって山への道をたどりだすと、なにか聞こえた気がしてふりかえる。




 《番神様》のお社の屋根にとまった鳥が、ちち、と鳴いてとびたった。

  鈴の音のようにきこえたのは気のせいか。



 

 そろそろ、腰をおちつける先をさがしてみるかと、急にヒコイチはおもいつく。


  小屋暮らしだったが、じいさんと『生きた』あのときの暮らしがなんだか恋しくなった。

  

  

   

 「 まずは、水を張った田んぼでもみつけて、田植えでもするかあ 」


  だれにというでもなく、笠をあげて空にいってみる。




  

    ヒコイチの旅暮らしは、どうやらもうすぐ

  

               ―― おわりになりそうだ。










おつきあいくださった方、目をとめてくださった方、ありがとうございました!

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