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オチョウの鞠が
みおろろしたおのれの足から、風になびき光る《蜘蛛の糸》がのびている。
うごかない首をうごかし腕の先をみようとすると、からだがぜんぶ震えるように動いたが、足や腕は、どこか遠くまでひっぱられるようになって動かないのだ。
「そうだ。糸だ。蜘蛛の糸だな」
こんどは男の声が後ろからしたが、みることはできない。きいたことのない声だ。
こえはつづける。
「おまえは、山道を歩いていて、この山の中にある沼の《水神》に仕える蜘蛛につかまったんだが、オチョウの《鞠》がお前を助けるというんで、助けてやった。 だがな、それに《水神》が腹をたてて蜘蛛が寺まで文句をつけにきたらしい」
もんくを?
「あ・・・の、『幻術』つかいのこどもが?」
「あん?まあ蜘蛛の妖だから『幻術』はつかうが、ともかく、そこでおまえの代わりにかごからイワナをとって帰ったが、《水神》は気にいらなかったようでな、やはりおまえを捕まえることにしたようだ」
ということは、寺を出て、また山道で捕まったということか?




