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かえせといわれてかえれたはなし  作者: ぽすしち
 朝

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もってゆけ




  ― 朝 ―





 寝るときに、昔の上等な女の着物でこしらえたような薄い布団をかけられ、遠慮したのにそれを掛けられたとたん、気をうしなうようにねむりこんでしまった。目が覚めるとそんな布団はかけられておらず、だれかの気古した半纏のようなものがかけられていた。


 陽はのぼる前だったが、ゲンは起きてもうどこかへ行ったようで、きのう炊いた飯がにぎられて竹の皮につつまれ、《もってゆけ》と書かれた紙がおかれていた。



 ありがたくあたまをさげ、いただくことにする。



 そとはまだ暗いが、あたりのようすはわかるほどで、あとはあかるくなってゆくだけだ。


 前の晩に、おれは朝いないだろうから気にするな、といわれている。


 本堂の中はのぞかず、外から頭をさげて寺をあとにした。








 ちりちり  ちりちり


   ちりちり   ちりちり



 どこからか、ちいさくたよりない音がしている。




 ちりちり  ちりちり


   ちりちり   ちりちりちり




 ああ  どこかできいたような







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