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かえせといわれてかえれたはなし  作者: ぽすしち
 寺

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16/25

横取りか



  「 それは わしらのものだ 」


 こどもの澄んだ声にはいらだちがあり、ここからみても黒ではないその目はヒコイチをとおりぬけ、むこうにいるゲンを見ていた。



「 かえせ 」


 こどもがはっきりと命じたのに、ゆっくりとゲンがふりかえり、こまったような笑みをうかべた。


「あのな、ここにあるモンは、おまえたちには渡せぬと知っておろう?」


「 先に『つけた』はこちら 」


「だが、『どけた』だろう」


「 おのれ よこどりするか 」


「とるんじゃねえよ。かえすんだ」


「 坊主は留守にしておろう 」


「だからどうした。そこから先には寄れぬだろう? ―― いなくとも、みておるぞ」


「 くっ 」


 こどもとおもえぬような怒りをたたえた顔をゆがませると、からだがいきなり小さくなってゆき、あっというまに見えぬほどになってしまった。



 ヒコイチはあわててこどもがいたところまでかけよって、なにか残ってないかと、かがんでみたがなにもない。




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