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かえせといわれてかえれたはなし  作者: ぽすしち
 寺

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12/25

よび名


 なかなか大きくて立派な建物だ。


 戸をくぐってすぐに広い土間があり、奥に台所がある。板の間があって続きの部屋も板の間だ。


「囲炉裏がねえから、夜はすこし冷える。火鉢がそこにあるから、つかってくれ」


「いや、横になれればいいんで」


「まあそういうな。そのぶんこれから夜までしっかり働いてもらう」


「そりゃあたりまえだ。あ、おれは」


「名はきかぬ」


「・・・へ?」


「おれのことはゲンでいい。おまえはなんとよばれたい?」


「あー・・・ヒコで・・・」


「そうか、ヒコさん、ひと息ついたら裏で薪割りをたのむ。そのあとで、川まで水をくみにいってもらおう」


「いや、あと三つぐらいは先にいいつけておいてくれねえと、いちいちゲンさんにうかがいにいかなきゃならねえ。それじゃあめんどうでしょう。 あと、おれはゲンさんよりよっぽど年が下なんで、よびすててくれねえと落ち着かねえよ」


「そうかい。じゃあヒコ、そのあと釜に水をいれて外で風呂をととのえてくれ。 それと、川にいったときに、できれば魚を釣るかとるかしてくれれば、飯のたしになる」


「おうよ。まかせろってんだ」

 ようやく、仕事らしいことをいいつけられて安心した。

「魚は何匹とりゃいい?あとどのくらい人がいるんだよ」


「ああ、あとひとりいるんだが・・・」


「ウゴウさまって人かい?」


「おう、・・・さてはオトイがくちにしたか。 ―― まあ、これできょうはウゴウはここにもどってこなくなったので、おれとヒコだけだ」

 なんだかおかしそうにわらうゲンに背中をたたかれた。


「いてえ!」


 ウゴウさまってのが、ここの坊さんか


 ひさしぶりに、痛いとおもえるほどの力でたたかれた背をなで、顔をしかめながら旅装束をといたヒコイチは、すぐに仕事にとりかかった。







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