ハッピーニューボーン!【お正月記念番外編】
読者の皆さま、あけましておめでとうございます。
新年一発目の番外編はやっぱりこの人!
旦那様の登場です!!
チチチチ……と、小鳥の囀る声で目を覚ます。
なんだろう。
いまだかつて、こんなにも満ち足りた気持ちで目覚めた事はない。
目の前にはさらりと輝く金色の髪。
私の腕の中に、アナがいる。
昨日のパレードと、その後の夜の事を思い出す。
夢じゃなかったんだ、と思うとそれだけで鼻の奥がツンとして、じわじわと幸せと涙が込み上げて来た。
いかんいかん、どこの世界に初夜(正確には違うけど)の翌朝涙ぐんでる旦那がいるというのか。
出来るだけ、出来るだけカッコよくせねば!!
実は既に涙目になっていた自分の目を、アナを起こさない様に気を付けながらゴシゴシ拭う。
起きなかったか? と心配になり、そっと覗き込めば、安心し切った様に眠るアナの寝顔が見えた。
くっ、かわ……!!
もう、悶絶するほど可愛い。
え、天使? 女神?? 私はもう死ぬのか?
思わずそんな馬鹿な考えが頭をよぎる程に幸せ過ぎる。
え? 夫婦なんだし、今日からは普通に毎晩同じ寝室で眠るのだよな?
……という事は、毎晩こんな風にアナを抱きしめて眠れるのか? え、幸せ過ぎんか?? やはり私はもう死ぬのか?
人生の幸せというものが今日と昨日に総決算されていました、と神に言われても信じられるくらい幸せだ。
明らかに自分が浮かれているのだという事は分かるのだが、今日くらいは許して欲しい。
しかし凄いな。世の夫婦というのは、みんな当たり前にこんな日々を送っているのか。
愛する人とずっと一緒にいる事が出来る制度、それが結婚なのだな、と改めて理解する。凄いな結婚!!
アナに試用期間を貰ったあの日、心を入れ替えて生まれ変わろうと決めた。
しかし今日は、見るもの全てが輝き、自然と生まれ変わった様な心持ちになった。
ああ、人とはこうしてどんどん成長していくものなのだな。今ならいい詩でも書けそうな気がする。
うん、今度アナの為に詩を書いて贈ってみるか!
ニューボーンにニューボーンを重ね、今ニューボーンが加速する!!
一人気持ちも新たに決意を漲らせていると、『ぅうん』と小さくアナが身じろぎをした。
———アナが起きる! 顔を引き締めなければ!!
初めて一緒に迎えた朝なのだ。少しでもカッコよくアナの目にうつりたい。
必死に顔を作っている私の腕の中でゆるゆると目を開けたアナが、私の顔を見るとふにゃりと幸せそうに笑った。
「おはようございます、旦那様」
「ああ、おはよう、アナ」
多分、私の顔は今、1ミリも引き締まっていないだろう。
でもこれは仕方がない。
———だって、アナがあまりにも可愛いのだから。
良かったね、旦那様。
……という事で、改めまして、
読者の皆さま、あけましておめでとうございます!
昨年中は拙作を読む為に沢山のお時間を使って頂き、本当にありがとうございました!
本年もどうぞ宜しくお願い致します(^ ^)/