オカルト謎探偵の偉業!? 8
正直言って、セロに実験台にされて何十年若しくは何百年も弄ばれるよりも、警察署に連行されて、刑務所に入れられて、処刑される時迄、罪を償い続ける日々を粛々と送る方が何百万倍もマシだと思う。
だってさ、刑務所の中では粗末だけども寝床を与えられるし、質素だけれど3食を常に与えてもらえるわけで、監視員も居るし、見張り,見回りもされるから飢え死にする事はないし、病気を患っても無料で診察や検査をしてもらえるし、看病だってしてもらえる。
被害者遺族から殺意を抱かれても命を狙われるような危険からも守ってもらえるし安全パイだ。
罪を償い終わる迄、若しくは死刑が執行される迄は、貴重な国民の税金を食い潰しながら日々を過ごす事を許されている。
犯人側からすれば、警察署へ連行されて刑務所へ入れられた方が幸せだし、未だ救いはあるだろう。
セロに選ばれたりしたら、幸せもなければ救いもありゃしない。
何かさ、刑務所に入ってる犯罪者の全員をセロの実験台にして、ボロボロになる迄弄んでも全然構わない気がして来たぞ!
セロの実験台になって苦しむ事で十分過ぎる償いになるんじゃないのか?
セロが飽きる迄は解放してもらえないし、解放されたとしても人間として死ねるか分からない。
人生の最後は〈 合成獣 〉の餌として、頭から骨の髄迄バリボリと喰べられて終わるかも知れない。
唯一の “ 救い ” と言えば、人間の姿で死ねる事ぐらいかな??
セロフィート
「 マオ──、そろそろ22時です。
書き起こしを切り上げてはどうです? 」
マオ
「 後1時間あるだろ。
もう少し続けるよ 」
セロフィート
「 マオ、無茶はいけません。
頑張るのは良いですけど、無理をして迄するものではないです 」
マオ
「 ………………そうだな!
今日は此処迄にして切り上げる事にするよ! 」
セロから「 待った 」が掛かったから続けたい気持ちを堪えてペンを持っている手を止めた。
未だ途中だけど、出来上がった分の原稿用紙をセロに確認してもらう為、丈夫な紐を通して結んだら、セロへ手渡す。
苦労して書き起こした原稿用紙をセロに確認してもらっている間、オレは別のテーブルにセロが用意してくれた紅茶とスイーツを頂戴して食べる。
面倒な書き起こしを頑張ったんだから、抱きしめてヨシヨシぐらいしてほしい。
セロは右手に赤ペンを持って原稿用紙を読んでくれている。
セロのチェックは厳しくて、最初の頃の書き起こした原稿なんて、赤ペンで真っ赤だった。
セロの追加記入や誤字,脱字の訂正が多かったんだよなぁ…。
今は大分マシになっていて、誤字,脱字の数も最初の頃よりも減っている。
初めの書き起こしなんて、セロから「 23点 」とか言われて凹んだもんだ…。
お蔭様でって言うか──、書き起こしを何度も繰り返しさせられた事もあって、今ではセロから「 76点です 」って言ってもらえる迄に上達したんだ!
オレ、ちゃんと頑張れてるよ!!
セロフィート
「 マオ──、未だ途中ですけど、今回の書き起こしは82点です。
確実に上達してます。
頑張れましたね、マオ 」
マオ
「 えへへ(////)
もう慣れたよ! 」
セロフィート
「 手直しも格段と減ってます。
ワタシの訂正も必要なくなる日も近いかも知れませんね 」
マオ
「 そんな日が本当に来たら、寂しくなるよ… 」
セロフィート
「 マオ… 」