オレは宿泊室のドアを開けて、セラッピド捜査官には早々に廊下へ出てもらう事になった。
──*──*──*── 廊下
オレもセラッピド捜査官と一緒に廊下へ出た。
パタン──と静かにドアを閉めて、セロのフォローをする事にした。
マオ
「 セロは…ああ言ってるけど、別にセラッピド捜査官を嫌ってるわけじゃないんだよ。
超能力を使うのって…体力的にも精神的にもハードらしいんだ。
セロは長い時間、集中しないといけないから……傍に居ても何もする事はないんだ。
だから、セラッピド捜査官は他の事件の手伝いをしていた方が良いと思うよ 」
ティーバン・セラッピド
「 ワトスン君…。
君は兄思いの弟だね 」
マオ
「 そうかな…(////)」
ティーバン・セラッピド
「 僕に手伝う事が無いなら、厚意に甘えて戻らせてもらうとするよ 」
マオ
「 うん…。
此方でも捜査資料を作成するよ。
何時もみたいに完成したら持って行くね 」
ティーバン・セラッピド
「 そうしてもらえると此方も助かるよ。
──これ、10年物の事件の資料が6件分入ってる封筒だよ。
ホームスに渡してくれるかい? 」
マオ
「 うん。
こんなに有り難う。
セロも喜ぶよ 」
ティーバン・セラッピド
「 そうだと良いんだがね… 」
両肩を竦めて見せたセラッピド捜査官は、ほんの少しだけ両肩を窄めると寂しそうな顔をして1階へ続く階段へ向かって廊下を歩き出した。
セラッピド捜査官が階段を降りるのを見送って、姿が見えなくなったのを確認してから、ドアを開けて宿泊室へ入った。
──*──*──*── 宿泊室
マオ
「 セロ──、セラッピド捜査官は帰ったよ。
それから──これ、セラッピド捜査官から『 セロに渡してくれ 』って言われたよ。
10年物が6件分だってさ 」
セロフィート
「 ティーバンさんは何故ワタシではなく、マオに渡したのでしょうね? 」
マオ
「 渡し損ねただけじゃないのか?
深い意味なんて無いと思うけどな 」
セロフィート
「 それなら良いですけど… 」
マオ
「 封筒は確かにセロへ渡したからな 」
セロフィート
「 はいはい 」
マオ
「 セロ、このド素人の作った捜査資料はどうするんだ? 」
セロフィート
「 ティーバンさんへ返しましょう 」
マオ
「 分かった。
封筒に入れておくな 」
残念過ぎて使えない捜査資料を封筒の中へ入れたらベッドの上へ投げた。
マオ
「 セロ、この事件の被害者は死んでるし、死体は埋葬されてるから掘り出せないけど、どうするんだ? 」
セロフィート
「 被害者の眼球さえあれば良いです。
何時も通り、〈 テフの源みなもと 〉で眼がん球きゅうを構こう成せいします 」
そう言いったセロは〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉で数すうヵ月げつ前まえに死し亡ぼうした被ひ害がい者しゃの眼がん球きゅうを秒びょうで構こう成せいした。
何い時つも思おもうけど、眼がん球きゅうだけって気き持もち悪わるいよな…。
セロフィート
「 マオ、被ひ害がい者しゃの女じょ性せいが被ひ害がいに遭あう日ひの映えい像ぞうを流ながします。
準じゅん備びは済すませてますから、マオは映えい像ぞうを見みながら書かき起おこしてください 」
マオ
「 またかよ…。
オレ…この作さ業ぎょうは嫌きらいなんだよ… 」
セロフィート
「 そう言いわずに起おこし上あげてください 」
マオ
「 映えい像ぞうを見みながら書かき起おこすのって難むずかしいし、大たい変へんなんだからな! 」
セロフィート
「 知しってます。
だからこそ、マオに書かき起おこしてほしいです 」
マオ
「 オレが書かき起おこすよりも、セロが書かき起おこした方ほうが完かん璧ぺきだと思おもうんだけどなぁ 」
セロフィート
「 そう言いわずに。
マオが直じき筆しつで書かき起おこした資し料りょうが事じ件けんを解かい決けつさせる為ために必ひつ要ようです 」
マオ
「 …………もぅ…。
狡ずるいんだよ、セロは! 」
オレはムスッと両りょう頬ほほを膨ふくらませながら、諦あきめモードで椅イ子スに腰こしを下おろして座すわった。
テーブルの上うえにはセロが用よう意いしてくれた原げん稿こう用よう紙しとペンが置おかれている。
何い時つも書かき起おこしをする時ときには、原げん稿こう用よう紙しの左ひだり側がわから横よこ書がきする事ことになっているんだ。