オカルト謎探偵の偉業!? 5
ティーバン・セラッピド
「 ホームス、君には何が何でもこの事件を解決してもらうぞ! 」
セロフィート
「 ワタシに命令しないでください。
厚かましいです 」
マオ
「 セロ……、解決してあげようよ。
オレ…被害者が不憫でならないよ。
早く犯人を逮捕して安心させてあげたいよ… 」
セラッピド捜査官が持ち込んだ事件に対して全然興味を示さないセロの後ろに立ったオレは、両腕を回してセロに抱き付いた。
マオ
「 セロ──、頼むよ 」
セロの耳元で懇願するようにセロの名前を呼んで頼んでみた。
セロフィート
「 マオ…。
君は御人好しが過ぎます。
…………良いでしょう。
気は進みませんけど話ぐらいは聞きましょうか 」
マオ
「 セロぉ!
有り難う!! 」
セロがオレの頼みを聞いてくれたのが嬉しくて、オレはセロの右頬に軽い口付けをした。
そんなわけで、セラッピド捜査官が持参したA4サイズはある茶封筒の封を開けて、中に入っている捜査資料の束をテーブルの上にドンッと置いた。
マオ
「 かなりの量だね。
これだけ分厚い資料なのに解決させれないんだ… 」
セロフィート
「 資料が分厚くても役に立たなければ唯の紙切れ──ゴミです 」
マオ
「 セロぉ……言い過ぎだぞ 」
セロフィート
「 何が言い過ぎですか。
事実です 」
そう言いながらもセロはテーブルの上に置かれた資料に手を伸ばすとパラパラと捲って読み始めた。
セロフィート
「 …………7点…。
こんな穴だらけの使えない捜査資料を読ませて、ワタシに『 事件を解決させろ 』と良く言えたものです。
捜査官の無能さには以前から呆れてますけど、今回の捜査資料で失望しました 」
ティーバン・セラッピド
「 人手が足りないんだ。
粗い纏め方なのは仕方無いだろう!
資料作りに慣れていない新人が休日を返上して作ってくれたんだぞ、文句を言うな! 」
セロフィート
「 文句を言われたくないのなら、大事な捜査資料を素人新人に作らせないでください 」
マオ
「 ……セロ、その資料だけど、オレも読んでいいかな? 」
セロフィート
「 どうぞ。
マオの方が上手に作れますよ 」
マオ
「 オレ、資料作りなんて嫌いなんだけどなぁ… 」
セロの御許しが出たから、僭越ながらオレも捜査資料を読ませてもらう事にした。
えぇと……う〜〜〜ん…………うん…。
何と無くだけど、事件の事は分かった。
無駄に分厚い割りには肝心の中身はスッカスカな捜査資料だ。
セロが7点だと塩評価した理由が分かる。
これは資料と言うにはあまりにも御粗末過ぎる気がする。
オレでもこれよりはマシな資料を作れる自信がある。
セロフィート
「 まぁ…良いでしょう。
元よりそちらから提供される捜査資料に期待してませんし。
マオの想いを汲んで、解決させましょう。
時間が惜しいです。
ティーバンさんは警察署へ戻ってください 」
ティーバン・セラッピド
「 ホームス!?
『 戻れ 』とはあんまりだろう!!
捜査をするなら僕も付き合う! 」
セロフィート
「 人手不足なのでしょう?
この事件はマオとワタシに任せてください。
ティーバンさんは他の事件を手伝ってはどうです? 」
ティーバン・セラッピド
「 ホームス……、僕では力不足か? 」
セロフィート
「 自覚はありますか。
偉いですよ、ティーバンさん 」
ティーバン・セラッピド
「 ホームス… 」
セロフィート
「 ワタシの四知の法捜査には、超能力を使います。
外野が居ると調子が出ません 」
ティーバン・セラッピド
「 が…外野……僕は外野なのか!?
ホームス、僕は君の相棒なんだぞ!! 」
セロフィート
「 お目付け役の間違いでしょう。
マオ、ティーバンさんは、お帰りになります 」
マオ
「 うん…。
セラッピド捜査官、来てくれて有り難う 」




