オカルト謎探偵の偉業!? 17
マオ
「 ──ふぅ……やっと終わったぁ〜〜〜〜!
昼食を食べる気にはなれなかったけど……、書き起こしを完成させれて良かった〜〜〜!!
もう、当分は書き起こしなんかしたくないなよ… 」
やっとの事、書き起こしから解放されたオレは、声を出して一人言を言う。
原稿用紙がバラけない様にと穴へ丈夫な紐を通して確りと結ぶ。
後はセロにチェックしてもらうだけだ。
とは言え──、セロは朝食を済ませた後、オレを置いて1人で出掛けてしまったから宿泊室には居ない。
セロが帰って来るのが何時になるか分からない。
その間オレは1人っきりだ。
ショッキングな映像を長々と見ていた所為か食欲はない。
だから、ベッドの上に寝転んで少しだけ仮眠を取る事にした。
原稿用紙は眼球と一緒にテーブルの上に置いた。
セロが居ないからルームシューズをポポイッと脱ぎ捨てたら、ベッドの上に飛び上がって寝っ転がる。
マオ
「 はぁ〜〜〜〜。
しんどかったぁ〜〜〜〜!! 」
又々一人言を言ったオレは両腕と両脚を真っ直ぐピピーーーンと伸ばして大きな伸びをした。
両目を閉じて呼吸を整えていたら、何時の間にか意識を手離していた。
マオ
「 …………………………ハッ?!
ヤバッ──、今って何時だ?! 」
すっかり眠り込んでいたオレをは、ガバッと上半身を起こした。
一寸仮眠するだけのつもりだったのに随分と長い時間眠っていたみたいだ。
部屋の中は真っ暗で、窓から外を見ると、既に夕暮れ時だった。
未だ夕食の時間じゃない事にホッと胸を撫で下ろすと、オレは慌ててベッドから下りた。
ポポイと脱ぎ散らかしていた筈のルームシューズは、オレが履き易い位置にきちんと揃えられて置かれていた。
セロだ──。
オレが寝ている間に帰って来たんだ。
何で起こしてくれなかったんだろう??
兎に角だ、オレは揃えられているルームシューズを履いてから部屋の明かりを灯した。
テーブルの上に置いていた原稿用紙が無くなっている。
セロが持って行ったのかな?
序でに被害者女性の眼球も片付けてくれたらいいのに、テーブルの上に剥き出しのまま置かれているのは態とだろうか?
オレはテーブルの上に置いてある今日の日付の新聞に手を伸ばした。
未だ新聞の記事を読んでなかったからだ。
新聞は朝食を済ませた後にセロがオレの為に買ってくれるんだ。
読み書きの練習をするのに新聞は都合が良いからだ。
椅子に腰を下ろして座ったオレは、翻訳ルーペを左目に掛けると手に持っている新聞を広げて記事を読み始めた。
記事には自宅で死亡した女性の事が載っている。
どうやら初めての事件ではなくて、今回で8人目なんだとか。
被害者女性はベッドの中で亡くなっていたらしい。
被害者女性は真っ裸のままベッドの中で眠るように……。
マオ
「 何だろう??
ベッドの中で真っ裸のまま眠るように……。
何か似たような……。
いや、違う人かも知れないし…… 」
何も身に付けないで寝る人なんて、今日日珍しくもないだろうし?
なんて記事へツッコミながら読み進めていると、真っ裸のまま眠るように亡くなった被害者女性からは薬物反応が出た事が書かれている。
薬物反応だって?!
嫌だな……心辺りが…………いやいや、アレの白い粉が薬物なのかは調べてみないと分からないし?
決め付けるのは早いよな?
被害者女性は穏やかで安らかな死に顔だったらしく、眠っている間に息を引き取ったようだ。
今迄に発見された7名と同様らしい。




