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ようこそ死神農場へ!  作者: ととまこ
6/43

6 クレアの雑草取りとお肉

6話投稿です。

どうぞ……

「うーん……」


 クレアが初収穫をした夜、ダクロウ君に体を預けて俺は悩んでいた。

 

 それは水浴び場だ。

 畑の作業なので当然汚れる。

 なので日課が終わったら井戸水で体を洗う。

 もちろん裸。

 しかし、井戸周りには仕切りも何もない。

 早めに仕切り作らなきゃな……

 そんな事を考えていたらいつの間にか眠っていた。



▽▽▽▽▽



「……な、なんですかこれは。昨日抜いた雑草がもうあんなに……」


 次の日、畑を見た途端クレアが声を上げた。

 プルプルと体を震わせている。


「まぁ、毎日こうだから今日も頑張ろうな」


 昨日と同じくらい生えてる雑草を見て俺は気軽に声を掛ける。


「ふっふっふ……いいでしょう!1本たりとも生かしてはおきません!!」


 あ、あれ?クレアさんキャラ変わってません?

 クレアは鬼のような形相で雑草を睨んでいる。


「……ク、クレア?身体魔法で高畝を倒すのは止めてくれよな?」


「当然です!私が倒すのは雑草ただ一つ!!」


 そう言って物凄いスピードで雑草取りを始めるクレアさん。

 「雑草に慈悲はありません!」と躊躇なく雑草を取っている。

 俺はポカーンとその姿を眺めるだけだった。



▽▽▽▽▽



 クレアの脅威の雑草取りのお陰で日課はあっという間に終わった。

 俺は雑草を取っているクレアの邪魔にならないように水撒きと虫取りを細々とやっていただけだ。

 昨日は下着事件と高苗吹き飛び事件があったので日課が終わったのが夕方だったが、今日は日の高さから丁度正午になったという時間だ。

 お昼ご飯食べたら仕切りでも作るかと思いながら井戸で手を洗ってるとダクロウ君に呼ばれた。


 ダクロウ君は結界周りの見回りが仕事だ。

 

 自分の食べる分と俺が「肉が欲しい」と言った時は結界の外に出て狩りをしてくる。

 今日はお願いしてないから狩ってこないはずだが、何故か俺の前にトートフォックスが置かれた。

 俺がはてなとなってるとダクロウ君はガウ!ガウ!とクレアがいるであろう家に向かって吠えた。


「ああ、クレアに食べて欲しくて狩ってきたのか」


 俺はダクロウ君を撫でて遠慮なくトートフォックスを受け取る。

 トートフォックスは1mのキツネ型の魔獣で、その牙と爪は鋭く動きも素早い。

 人族や魔族はどう頑張っても倒せないが、ダクロウ君はあっさり倒してしまう。

 まぁ、ダクロウ君は【ニルヴァースの森】三大脅威の1匹『ダークフェンリル』だから当然なのだが。

 それに、トートフォックスの肉はかなり旨い。

 旨いのだが、調味料もないし保存方法も無いので流石に毎日は要らない。

 そういった意味でも調味料は早めに何とかしなきゃなと思いながらリビデ君に血抜きと解体をお願いした。


 リビデ君は器用に血抜きと解体をし、俺に200gくらいのステーキ肉を数個渡してくれた。

 俺はリビデ君にお礼を言って足早に家に戻った。



▽▽▽▽▽



「…あっ、お帰りなさい」


 家に戻ると既に水浴びを終えたクレアに出迎えられた。

 こうして出迎えられるのはやっぱり嬉しい。


「ただいま」


 そう言って薪を囲炉裏に置き火を付け、肉を串に刺してその周りに置いた。


「お肉……ですね」


「ダクロウ君がクレアに食べて欲しくて狩ってきたみたい」


「そうですか。後でダクロウ君にお礼言わないといけませんね」


 やがてこんがりと焼けたのでクレアに渡した。

 クレアは串に刺さった肉を受け取り恐る恐るかぷっと食べる。

 俺もそれを見て自分の持ってる肉に齧りついた。

 程よく焼けた肉は実に柔らかく、かみしめると肉のうまみが口中に広がる。


「……凄く美味しいです!」


 クレアも満足なのか、そう言って何度も肉にかぶりついては小さな口でモグモグと食べている。

 俺はその可愛いらしく食べてる姿を見てダクロウ君に感謝するのだった。



 暫く肉を食べていたクレアだったが、不意に顔が暗くなり食べるのをやめてしまった。


「……どうした?」


「……いえ、『サラ』がお肉大好きだったのを思い出してしまいまして……」


 そう言って食べていた肉をジッと見つめてる。


「……確かクレアを城から逃がしてくれた人だったよな?」


 昨日の夜にクレアが城から逃げてきた経緯はある程度聞いてる。


「ええ、私の専属の従者で唯一信じてくれた人です。今頃どうしているでしょうか……」


 悲しそうに呟くクレアを見て、俺はある決意をする、、


「……クレア、そのサラさんをこちらに呼びたいか?」


「えっ!?」


 クレアが戸惑いながら俺を見る。

 

「俺は『イシュタ』の加護を受けてる。イシュタは転移、転送、召喚の力が貰えるから、一度だけならどんな人でも転移が可能だ」


「イシュタって、あの上級神の『死神イシュタ』様ですか!?」


 黙って頷く。


「で、ですが、、上級神の加護を受けたという人は聞いたことがありません!い、一体どうやって……」


 クレアが興奮しながら近づいてくる。

 ……ちょっと怖いぞ。


「…お、落ち着けクレア。それは後で話してやるから。んで、どうする?」


 はっ!とクレアが我に返る。

 そしてしばらく考えて、、


「……お願いします!サラもそれをきっと望んでるはずです」


 力強く頷いた。


「よし!じゃあ、俺と額を合わせるぞ」


 俺はクレアの後頭部に手を置き顔を近づけようとしたがクレアの手に阻まれる。


「……ちょ、ちょ、ちょっと待ってください。な、な、何故額を付ける必要が?」


 クレアは真っ赤になってあたふたと慌てている。


「い、いや、俺はサラさん事知らないからイメージ出来ないんだよ。イメージが出来なきゃ転移させることが出来ないし」


 俺も焦りながら説明する。


「クレアがサラさんの姿や形を想像してくれれば、俺にもその彼女が今どうしてるのかがわかるし、そのまま転移させる事が出来るんだ。は、恥ずかしいのはわかるけど俺も恥ずかしいから我慢してくれ」


 ジッと真剣な目でクレアを見ると、クレアも覚悟を決めたのか頷いた。

 「ど、どうぞ……」と言って目を閉じたクレアに額を合わせる。

 目の前には美少女と呼ぶにふさわしい顔がある。

 少し顔をずらせばその可愛らしい唇に触れることも出来る距離だ。


「……よ、よし。クレア、サラさんの事をイメージしてくれ」


 固く目をつぶり平常心を保ちつつそう言った。


「……は、はい」


 俺は心を落ち着けクレアのイメージに集中する。

 気温や作物を育てる感じに、クレアの中にあるサラさんを念じて魔力を頭の中に放出させる。

 すると俺と同い年くらいのメイド服を着た女性が浮かび上がった。

 浮かび上がったのだが……


 俺は額を離すとクレアを見る。

 そして、、、



「…………クレア、その人はもう死んでる」

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ここまで読んでくれてありがとう!

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