42 味噌
投稿が遅れて申し訳ありません!
砂糖、塩、酢、醤油、味噌は和食の基本調味料『さ し す せ そ』と言われている。
俺たちの農場には砂糖、塩があり、サラがワインを造ったことで酢も作れるようになった。
クレアのお酒禁止令から1週間経過したが、いまだ解除されないのでワインはすべて酢に変わっている。
そんなある日、昼食を食べ終わった俺は囲炉裏に設置した鍋が沸騰するのをじっと待っている。
今回の目的は味噌を作ることだ。
鍋が沸騰してきたらそこに一晩水に漬け込んだ大豆を投入。
大豆の皮と灰汁が浮いてきたので木のおたまでそれを掬い、綺麗に掬い終わったら柔らかくなるまで大豆を煮る。
味噌樽に潰した大豆、苦労して作った麦麹、塩、少しの種水を加えて混ぜ込む!
綺麗に表面をならした後、雑菌の繁殖を防ぐため塩をその上から振り掛け、落し蓋と大きい石で抑え込む。
発酵小屋に樽を持っていき少し作業をしていたら暗くなってきたので、家に帰ることにした。
「あっ! アルさんおかえりなさい」
「お兄ちゃんおかえり~」
「ただいま、クレア、リズ。サラはまだ帰ってきてないのか?」
サラは今、レンガや陶器を焼く穴窯を作っている。
陶器は食器類になり、レンガは新しく作る家に使うそうだ。
今住んでる家は急ごしらえで作った家なので時間をかけてちゃんとした家を作りたいですとサラにお願いされた。
リズに部屋をあげたいと思っていたので俺は問題なくOKを出した。
「ええ。ですけど、もう帰ってくるでしょうから夕飯の準備をしちゃいますね」
「ふっふっふ、今日はリズがナンを作るよ~」
リズが小麦粉を一生懸命こねている。
頑張るのはいいのだが、身体魔法が使えないリズはこねる作業が苦手だ。
「んっしょ、んっしょ!」
全然固まらない小麦粉にむむむ!と渋い顔をするリズ。
ちらちらと俺の方を見てくるので手伝う事にした。
「リズ。俺がやるから果物取ってきて」
「えへへ。じゃあ、一緒にやろう」
果物は?と思ったが、しょうがないなぁとリズと2人で小麦粉をこねこねする。
「ねぇ、お兄ちゃん。リズをこねこねしたい?」
「ぶっ!」
リズの発言に俺は吹き出した。
鍋でスープを作っていたクレアがわなわなと震えている。
「ア、アルさん! 私もこねこねして欲しいです!」
「誰もこねこねするなんて言ってないだろう! 落ち着けクレア」
「リズちゃんはよくて私はダメなのですか!? わ、私の方がリズちゃんより胸あります!」
「あーっ! それは反則だよクレアおねえちゃん! おっぱい禁止!」
「い、いいじゃないですか! リズちゃんのぺたんこの胸じゃこねこねしても意味ないです!」
「お、お兄ちゃんはぺたんこの方が好きなんだよ~!」
おい!リズよ。何言ってるんだ!?
「そ、そんなこと誰が言ったんですか!?」
「サラおねえちゃんだよ~! お兄ちゃんはリズみたいなぺたんこの方が好きなんだって言ってたもん!」
「アルさん! そうなんですか!? はっきり言ってください!」
肩をがくがくと揺さぶられる。
やばいよ。脳が揺らされてお花畑が見えるよ。
「クレアおねえちゃん! お兄ちゃんが白目むいてるよ! 離してあげて~!」
「えっ!? キャアーーー! アルさんしっかりしてください!!」
せめてナンだけも作りたかったなぁとぼんやりと意識を失う前に俺は思った。
ブックマーク解除しないで待ってくれていた方に感謝ですm(__)m
これからも宜しくお願いします。




