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ようこそ死神農場へ!  作者: ととまこ
24/43

24 雨

24話です。

よかったら読んでください^^

 朝、俺は窓の外を見た。 

 ザーザーと雨が降っている。

 土砂降りではないがそれでも結構な量だ。

 傾いてる変な小屋も見える。


「……まぁ、天気に文句言っても仕方ない」


 幸い窓は吹き抜けだが屋根みたいなのは付いてるので雨が入ってくることはない。

 台風みたいな大きな雨風は防げないかもしれないが、その時までに何とかすればいいだろう。

 木の窓でも作ればいいかもしれないが、この家は電球みたいな灯りがない。

 なので、吹き抜けの窓は昼間は太陽の光を、夜は月あかりを入れる役目もある。


「窓の前に灯りだよな」


 俺は灯りをどうするか考えながら顔を洗いに向かった。

 変な小屋?何それ?



▽▽▽▽▽




「え!?雨でも畑はあるのですか?」


 朝食時、クレアが驚いた声を上げる。

 クレアとサラが来てからまだ雨の日はなかったので教えていなかった。


「ああ、あるぞ。水撒きは要らないけど雑草取りと虫取りは必要だ。収穫後の畑は何もなくなるからその時は休みだけどな」


 それでも、収穫した後にまた作れば次の日には雑草は出てくる。


「因みに、冬もやるようだぞ」


「アルバート様。冬はやらない農家が多いのではないでしょうか?」


「普通はな。だが、ここの畑は特殊だ。例え雪が降ろうと雑草たちは出てくるんだよ」


 それが半年に1回収穫できる代償だろう。

 ただでさえ好きに作っても大丈夫という破格の畑なのに、冬はお休みでは甘すぎる。


「もちろん、春の収穫を無しでいいなら冬は休みに出来るが2人とも嫌だろ?」


 2人は黙って頷く。

 1年余裕で暮らせる食糧があればいいだろうが今はまだ心もとない。


「というわけで、今日は俺1人で日課やってくるから、クレアは休んでなよ」


「え!?私もお手伝いしますよ?」


 グッとありもしない力こぶを見せる。


「いや、気持ちは嬉しいんだけどさ、雨だからドレス濡れるだろ?それしかないんじゃ着替えも出来ないし、無理しなくていいよ」


「心配してくれるのは嬉しいのですけど、これを見てください」


 クレアの手がブルブルと震えている。


「あいつらと戦えないと考えたら手が震えてきまして…」


 おい!依存症かよクレアさん!!

 雑草取り依存症って初めて聞いたわ。


「それに、実は着替えがあるのです!」


 エッヘンとクレアは胸を張った。

 大きいふくらみがさらに強調される。

 だから、クレアさん、あなたは自分の顔とスタイルをもう少し知るべきだよ。


「クレア様。私も初耳なのですが、いつの間に着替えを用意していたのですか? 後、胸触ってもよろしいですか?」


 サラが指先でクレアの胸を突こうとしたが、クレアが笑顔でその指をありえない方向に曲げた。


 「ぎゃあああぁああ!!」とのた打ち回るサラを無視してクレアは立ち上がる。

 「では、着替えてきますね」と言ってクレアは自分の部屋に戻っていった。

 残された俺はのた打ち回るサラに「自業自得だ」とゲンコツをお見舞いした。




 しばらくしてクレアが顔だけひょこっと出した。

 ん?何で顔だけ??


「どうしたのクレア?何かあった?」


「いえ、その、着てみたのですが、思っていた以上に恥ずかしくてですね。わ、笑わないでくださいよ!?」


 俺とサラは同時に頷いた。

 クレアが頑張って作ったんだ笑う訳ないだろ。


「で、では、、お、お待たせました」


 そう言って出てきたクレアは何というか凄かった。

 俺が着ている葉っぱの腰巻みたいなのを胸と下半身に着ているだけだった。

 下着より面積が小さいのでどう見ても葉っぱしか着けてない。

 それで畑仕事やるの?ちょっとでもズレたら色々と見えちゃうんじゃないの?

 大丈夫なの俺!?いや、大丈夫じゃないぞ俺!!


 パニックに落ちいってるとサラが小声で話しかけてきた。


「アルバート様。私無理です。鼻血出そうです」


「お、俺だって無理だよ!むしろサラより無理だよ!!」


 ひそひそ話をしてるとクレアが不安そうな顔をして俺たちを見てくる。


「……あ、あの。やはりこれではダメでしょうか?私なりに一生懸命作ったのですけど…」


 ガックリと肩を落とすクレアに俺たちは慌ててフォローする。


「いや、その服?はいいんだけどな。クレアにしてはちょっと過激すぎじゃないか?なぁ、サラ?」


「え、ええ!私、今死んでも悔いはないです!!」


 サラさん、死んじゃダメだよ。

 ここで俺1人じゃクレアと戦えないよ?


「では!これで畑行ってもいいんですね!?」


 クレアがぱあっと笑顔になる。

 その格好でその笑顔は危険すぎます。


「えっと、やっぱ今日は俺だけでやるよ。ク、クレアは休んでてくれ」


「そ、そうですね。今日はクレア様はお休みした方がいいかと」


 「何故です!?」とクレアは四つん這いになり俺とサラの手を取って上目遣いで見てくる。


 む、胸の谷間が…目の毒だぞこれは。


「私も畑仕事手伝います!アルさん、サラ、許可してください!」


 サラ、俺もう無理かも…

 後は頼む!と思ってサラの方を見るとサラは鼻血を流していた。


「ぐふっ!!」


 パタリとその場に倒れるサラ。

 その顔はとても幸せそうな顔をしていた。


「キャア!サラ!どうしたのですか!?アルさん!サラが倒れてしまいました!どうしましょう!?」


 どうしましょうって言われてもねクレアさん。

 


 俺だって今動けない状態なんだよ!!!

読んでくれてありがとうございますm(__)m

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