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ようこそ死神農場へ!  作者: ととまこ
23/43

23 燻製小屋

23話です。

時間があったら読んでください^^

「雑草は私にかかって朽ち果てるがいい!!」


 今日の隊長も絶好調のようだ。

 俺も全力で雑草取りをしてるが隊長には遥か及ばない。

 今のところ俺が2割、隊長が5割。


(くっ!今日こそ4割にしたいが間に合うか!?)


 俺は限界を超えるべく身体魔法に魔力を注ぐ。

 目指せ!4割!!と気合を入れて雑草取りに励む俺だった。




 「今日も3割だった…」と俺は息も絶えだえに言った。

 バタンと倒れて呼吸を整える。


「ふふ。今日も私の勝ちですね。ですが、アルさんは筋が良いようです。雑草を取り忘れていませんから」


 クレアは息も切らさず余裕そうに俺を見降ろしてる。


「筋がいいって、一応俺が教えたんだけどな」


 俺はクレアを見上げながら小さく苦笑した。


「あら、そうでしたね。ふふ、なら6割は行かないといけませんね。教えた人が負けてては恥ずかしいですよ?」


「なんか、今日のクレアは意地悪だな。俺に6割何て無理に決まってるの知ってるだろうに」


「ええ、もちろん。だからアルさんは4割目指してくださいね」


 クスクスと笑うクレアに「精進するよ」と言って俺も笑うのだった。



▽▽▽▽▽




 日課が終わって、俺たちは畑の井戸で手を洗っていた。


「昼食後に何かやる事あるかな?」


「そうですね。サラに聞けばあると思いますけど」


「そうだな。サラに聞けばいいって……ク、クレア!あれ見て!!」


 俺は小麦畑を指差す。

 クレアは「何がです?」と小麦畑を見た途端、体を震わせた。


 昨日作った小麦畑から雑草が生えていたのだ。


「木綿は生えなくて小麦は生えたから、やはり食べ物だと雑草生えるみたいだな」


 俺は納得してうんうんと頷く。

 稲は水田だからどうなるかまだ分からないけどそれは作った時に確認すればいいだろう。



「……くっくっく……」


 クレアが片手で目を隠し不気味に笑ってる。

 あっ!隊長モードになった。


「面白いじゃないですか。だが、雑草どもよ。私に見つかったことを不運と思いなさい」


 小麦畑に向かって歩いていく隊長は心底楽しそうだった。



▽▽▽▽▽




 俺たちは小麦畑の日課を急いで終わらせた。

 そして遅めの昼食を取り、今は俺が皮のなめしを行う所に来ている。

 そこには大量の加工された木材が置いてあった。


「ここに木材があるってことはこの辺りに燻製小屋を建てろって事かな?」


「ええ、恐らくそうでしょう」


 昼食中にサラから「燻製小屋の材料を置いておいたのでお願いします」と言われた。


「材料って言われてもな…あっ!この木の釘とツタで作ったロープみたいなのを使えって事か」


「木の釘なら棚とベッドを作った時にやりましたから任せてください!」


 おお!頼もしいぞクレアさん!


「そうか。んじゃ、釘打ちは任せたよ」


 クレアは「はい!」と元気に返事して俺たちは燻製小屋を建て始める。


「まずは建てる場所だよな、近いと俺と倉庫部屋に日があたらないから」


「では、あの辺でどうです?」


 クレアは家から15m程離れた場所を指差す。


「そうだな、そこでいいか」


 あまり遠いと木材運びが大変だから妥当な距離だろう。

 俺たちは建てる場所をきめると木材などを運び始めた。


「あれ?クレア、これで合ってるの?」


「え?あってると思いますよ?」


「でも、何か隙間開いてない?」


「その隙間は風を通す場所なのではないでしょうか?」


「あー、言われてみればそれっぽいな」


「ふふ。アルさんしっかりしてくださいね」


「お、おう!」


 トントンと釘を打つクレアとロープで板を固定する俺。

 2人の息もぴったりだ。


「あら?釘が短いのかしら。板が落ちてしまいます」


「サラが間違ったのかもな。ほら、俺がロープで固定すれば大丈夫だろ?」


「助かりました。アルさんがいると頼もしいです」


「あはは。何時でも頼ってくれ」


 こうして燻製小屋は見る見るうちに出来上がっていった。




 そして燻製小屋が完成した。


「「………………」」


 完成したが、燻製小屋は傾いていて所々に隙間が空いてる。

 そして何故か木材が余ってる。


「……これで完成?」


「なんか傾いてますよ?燻製小屋ってこれが普通なのでしょうか?」


「うーん、俺も見たことないからわからないな」


 俺もクレアもお互い首をかしげるだけだった。



「もうすぐ夕飯…って!何ですかこれは!!!」


 サラがドタバタと走ってくる。

 そして俺たちの前まで来て小屋を指差した。


「なんで傾いてるんですか!?なんで隙間がこんなに開いてるんですか!?なんで木材が余ってるんですか!!?」


 サラの怒声に俺もクレアもたじたじだ。


「え、えっと、燻製小屋ってこういうものなのかなって思ったんだけど違うの?」


「当たり前です!何で燻製小屋は傾けなきゃいけないのですか!!」


「で、でもサラ。ほら、燻製にするのですから隙間が無ければいけませんよね?」


 サラは頭を抱えた。


「クレア様。燻製は煙でいぶすのですよ!?煙逃がしてどうするんですか!!」


 いつもはクレアに優しいサラだが今回ばかりは容赦がない。



「あーーーー!!もう! このポンコツどもがああぁぁあぁあぁ!!!」

最後まで読んでくれてありがとうございます^^

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