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ようこそ死神農場へ!  作者: ととまこ
19/43

19 サンダル

19話です。

良かったらどうぞ!

「サンダルを作りましょう!」


 木綿畑を作った次の日、朝飯を食べてる時にサラが提案してきた。


「そりゃあった方が便利だけどさ、どうやって作るの?」


 俺は朝食のバナナを食べながら当然の答えを返した。

 作り方知ってればもう既に作ってるさ。


「私もアルさんも裸足ですからね。あれば助かります」


 うんうんと頷きながらバナナを頬張るクレア。

 サラはメイドが履く靴を履いているので靴が無いのは俺とクレアだけだ。


「サンダルと言いましたが、それは靴を作る材料がまだ足りないからです。材料が出来次第靴の製造に入ります。 取り敢えず、サンダルは動物皮をなめして革にしてくれれば作れます」


「なめしとはなんでしょう?舐めるのですか?」


 「こんな風に?」とクレアはバナナの先端をペロペロと舐める。

 クレアさん、それはちょっとエロイからやめて…


「……んっ?アルさん、どうかしましたか?」


 じーっと見ていた俺にクレアが不思議そうに聞いてくる。

 あっ、やべ!見過ぎてた。


「い、いや、何でもない」


「ふふ。変なアルさんですね」


「クレア様。 アルバート様はいやらしい事を考えてたのですよ」


「ぶっ!」


 おいメイド!バナナ飛びそうになっただろ!!


「いやらしい事ですか?私がバナナを食べてるだけなのに?」


「ええそうです!そのバナナがアルバート様の「待て待て待て!!」…」


 サラが爆弾を落としそうになったので必死に止める。

 じろりと睨むサラは、この変態!と言ってる目をしていた。


「……では、アルバート様は罰として、日課が終わったら1人で皮のなめしをして貰います。当然ですが拒否権はありません」


「あ、ああ、わかった」


 その罰は甘んじて受けよう。

 そして、なぜでしょう?と首を傾げてバナナを眺めているクレアに心で謝り、俺は朝食を再開したのだった。



▽▽▽▽▽




 日課が終わった俺はサラに家の西側に連れてこられた。

 そこには皮だけのトートフォックスが置いてある。


「アルバート様たちが日課をしている間、ダクロウ君とリビデ君に頼みました。 アルバート様はこれからその皮をなめして貰います」


 俺はサラの指示に従ってなめしを行った。

 皮に付いてる脂を落とす作業があったり、漬け込みがあったりと色々あるがそれは割愛。



「……これくらい柔らかくなれば大丈夫ですね。お疲れ様ですアルバート様」


 サラに合格を貰った頃にはすっかり夕方になっていた。

 ふぅーっと息を吐き横になって休憩する。


「この森の動物は冬用の防寒着にも使用できそうですね」


 毛皮のまま使用すればコートみたいになるのかな?

 今回作ったのはサンダル用だから毛は落としたけど。


「では、私はこの革でサンダルを作ってきますね」


 サラはそのまま家に帰っていった。

 俺は暫く休憩後、ダクロウ君とリビデ君にお礼を言ってから戻った。



 家に戻ると夕飯の準備をしているクレアに出迎えられた。

 何時もはサラが用意してるのだが、サンダル製作中なのだろう今日はクレアが用意している。


「ふふ。私もお肉に串を刺すのが上手くなってきました」

 

 クレアは嬉々として肉に串を刺している。

 最初にやらせた時は手がぶるぶる震えててハラハラして見てたけど今は綺麗に刺すことが出来てる。


「ああ、もう俺より上手いかもしれないな」


「本当ですか!?ふふ、このままだとサラより上手くなってしまうかもしれませんね」

 

 得意げに串を囲炉裏に刺してるクレアを見て俺は小さく笑った。





「サンダルが出来ましたので2人に渡しておきます」


 夕飯の後、サラが自分の部屋からサンダルを持ってきて俺とクレアに渡してきた。

 サラの作ったサンダルはさっきなめした革で作られていて、ストラップが中底と本底に挟み込んであるシンプルな物だった。

 足の形も綺麗に作ってあり、ストラップを親指と人差し指で挟む感じに出来ている。

 かかとは無くぺたんこだが十分すぎる代物だ。


「凄いですね。昔、砂浜を歩いた時のビーチサンダルに似ています」


「はい。それを真似して作りました」


 履くものが出来て嬉しいのだろう、クレアは何度も履いたり脱いだりしてる。


「サラ、ありがとな」


「ありがとうございますサラ」


「いえ、満足してくれて良かったです」


 こうして我が家に履物が出来た。

 これで綿も出来て服が出来れば結構な進歩じゃないか。

 

 これからも宜しくと2人に感謝するのだった。



「ところで……夕飯、バナナ出なくてよかったですねアルバート様」


 ……いきなり何言いだすんだこのメイド。


「バナナですか?食べたいなら持ってきますけど?」


 クレアが立ち上がりそうになったので慌てて止める。


「ク、クレア、いらないから。俺もうお腹いっぱいだから」


「そうですか?欲しい時は持ってきますから遠慮しないでください」


 クレアは相変わらず分かってないようでいつも通りだが、サラは明らかに軽蔑の目で俺を見ていた。

 折角忘れてたのに…、俺は額に手を当てて俯いた。




 そう言えば…イシュタもあんな風になめ……って何思い出してんだ俺!

読んでくれてありがとうございますm(__)m

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