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ようこそ死神農場へ!  作者: ととまこ
16/43

16 アルバートとイシュタ ①

16話です。

よかったらどうぞ!

 俺の眠気は一瞬で吹き飛んだ。


「な、なんでイシュタがいるんだ?」


「んっ、アルに会いに来た」


「会いに来てくれたのは嬉しいけどさ。でも、魔力消費がきついだろ?」


 今は神の涙の時期ではないので神脈が弱い。

 神脈が弱いと自身の持ってる魔力が大幅に消費され、長い時間留まることが出来ない。


「ニルの魔力を分けて貰ってる」


「ニルヴァースの?」


 イシュタは頷く。


「ニルの魔力は無限にあるから」


 初耳だ。

 でも、考えればそれも当然かもしれない。

 ニルヴァースは創造神、この大陸を作った神だ。

 魔力枯渇などありえないだろう。

 

「なら最初からそうすればよかったんじゃないか?そうすればイシュタが辛い思いしなくて済んだんじゃ?」


 強制召喚は別としても、自ら降りてくる時はニルヴァースの魔力を貰えばいいのでは?と思ったがイシュタは首を横に振った。


「それは出来ない。神々の決まり事。貰う場合は代償を払う」


「代償?」


「そう。自分の一番大事な物を差し出す」


「イシュタは何を差し出したんだ?」


 イシュタは顔を少し赤らめてもじもじする。



「……アルの下着」


「ぶは!!」


 何処さがしても見つからなかったのはそういう事か!

 てか、イシュタ…一番大事な物が俺の下着なのかよ。


「……ま、まぁ、いいか。んで、イシュタはどの位ここに居れるんだ?」


「夜明けまで」


 今何時かわからないが、およそ6時間くらいだろうか。

 俺の下着が6時間……破格の安さだな。


「じゃあ、あまり長くは居られないか。とりあえず座ろうぜ」


「んっ。待ってて」


 イシュタは座ろうとする俺を制止してパチンと指を鳴らす。

 すると中央にダブルベッドが現れた。


「イシュタのベッド」


 イシュタはぽふっとベッドに腰かけて隣をポンポン叩いた。

 俺が隣に腰かけるとぎゅっと抱き着いてきたので、俺も抱きしめ返しイシュタの体温を感じる。


「アルに抱きしめられるの…久しぶり」


「ああ。俺もだ」



▽▽▽▽▽




「……アルに話すことがある」


 暫く無言で抱きしめ合ってた俺たちだが、イシュタが不意に口を開く。


「ん?何だ?」


「アルも知ってる、一夫多妻制になったこと」


「あ、ああ、知ってるぞ」


「…アルが本気で愛した女性なら、イシュタに遠慮しないで欲しい」


「そ、それは…」


 クレアの事だろうか?

 確かに、クレアの事は好きだ。

 だが、愛してるかと言われれば正直わからない。

 それに、クレアが俺の事を好きとは限らないじゃないか。

 ニルヴァースが居ると信じて来た森に偶々俺が居ただけだ…


 うーんと考えてる俺を見てイシュタは小さく笑う。


「ふふ。アル、今はそこまで悩まなくていい」


「えっ?」


「でも、遠慮しないでいいという事は覚えておいて」


「……わかった」


 俺は小さく頷いた。

 それを見たイシュタは満足そうな顔をしてる。



「…アル、一つお願い聞いて欲しい」


「いいぞ!イシュタの頼みなら何でも聞いてやる」


 イシュタは真っ直ぐ俺を見上げくる。

 その綺麗な顔はみるみる赤みを増していく。



「……イシュタに、アルの初めてを頂戴」


 ドクン!と、心臓が高鳴る。


「イシュタを、本当のお嫁さんにして……」


 そう言って俯いたイシュタは耳たぶまで真っ赤になっていた。


「…………ッ……」


 俺はイシュタを抱えるとベッドに横たわらせる。



「…………いいんだな?」


 イシュタは小さく頷く。


「…わかった。イシュタに俺の初めてをあげるよ」


 優しく唇にキスをする。

 イシュタの体がビクンと震えるが気にしない。

 いや、気にする余裕が俺にはもう無かった。


 



 そして夜は更けていく……

読んでくれてありがとうございますm(__)m


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