表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ死神農場へ!  作者: ととまこ
15/43

15 家が完成

15話です。

 塩が出来てから2日経った。

 新規で植えた作物たちも順調に育ち、今日も俺とクレアは雑草を取るため畑に来ていた。


「くっくっく……今日もいますね。あいつらが……」


 隊長は日に日に口が悪くなっている。


「ほぉ、昨日より少し多いじゃない。でも、その程度で私をどうにか出来ると思ってるのかな?」


 隊長!顔が犯罪者の顔をしてますよ!!


「では、行きましょうか……アルさんはそちら側からお願いします……」


 隊長は反対側を指差し俺に指示を出す。

 俺は黙って頷いて隊長が指した場所に移動する。


「いいですかアルさん……あいつらに情けなど無用です。根こそぎ葬り去りましょう!」


「わ、わかった……」


「アルさん、何度言ったらわかるのですか?私は雑草取り隊長ですよ。わかったではなくわかりましたでしょ?」


「わ、わかりました!」


 隊長怖いです……

 誰だよ!クレアを雑草取り隊長に指名した奴!!……俺だ!!!


「では……スタート!!」


 隊長の号令で始まる雑草取り。

 俺は身体魔法全開で雑草を取っていく。

 もちろん手抜きなどできない。

 この前手抜きしてたことがバレて酷い目に遭ったからだ。

 俺は無我夢中で雑草取りをしたのだった。



▽▽▽▽▽




 日課が終わって家に戻ろうとした俺たちを、サラは「家が出来ました」といって連れてきた。

 平屋の家だが、驚くのは壁が土ではなく木で組まれていること。

 そして、屋根も三角形で上には瓦が敷いてある。

 いわゆる木造住宅というやつで町にあっても可笑しくない程のクオリティをしていた。


「……マジかよ!これを2日で作ったの!?」


「凄いですねサラ。私、サラがこれほどの家を作れるとは思っていませんでしたので驚きです」


「クレア様にそう言って頂ければ私は光栄です。さぁ、2人とも中を見てください」


 サラはどうぞ!と俺たちを家の中に案内した。


 サラの作った家は南側に玄関があり、入ると12畳くらいの大広間兼ダイニングがある。

 大広間は中央に大きめの囲炉裏が設置され、そこにフライパンや鍋などの調理器具が置いてあった。

 東側にクレアの部屋とサラの部屋があり、西側に俺の部屋と農具倉庫があった。

 北東に水浴び場、北側にトイレと手洗い用の井戸、飲み水兼料理用の井戸と海水井戸、北西に食糧庫となっている。

 ドアはトイレにだけ設置されてる

 床は土だが、暇を見て木の板を敷くそうだ。


「ホントに凄いな。すべての部屋に窓が作られてるし」


 流石にガラスは嵌められていなく吹き抜けだが些細なことだろう。


「水浴び場も見えないように作ってありますから、アルさんに恥ずかしい姿見られなくて済みそうです」


 クレアは頬を赤く染めてホッとしてる。



「前の家にあったベッドはクレア様の部屋に運びました。早めにベッドを作らなければいけません。ですが、色々と急いで作ったのでこれから少しずつ改良していきます」


 俺としては十分だけどサラはまだ細かい場所が気になるようだ。

 とりあえず、俺は全ての部屋の気温調整をすることにした。



▽▽▽▽▽




 新築祝いで、今日の夕飯は豪華になった。

 豪華と言っても、トートフォックスの肉と今まで収穫した作物なのだが、その日はちょっとしたお祭り騒ぎになった。

 夕飯の後に話し合った結果、明日は前の家、トイレ、食糧庫を壊して更地にすることに決まった。

 話し合いも終わり寝ることになったのだが、ベッドが完成してないので、クレアとサラさんはクレアの部屋に持ってきたベッドで寝て、俺は相変わらずダクロウ君に体を預けて寝ていた。



「…………んっ………ん………」


 誰かが俺を揺さぶっている。

 触ると冷たい金属の感触がする。

 俺を揺さぶる度にガチャガチャと音が響く。

 目を開けるとそこにはリビデ君が居た。


「……あれ?…リビデ君どうしたの?」


 寝ぼけながらリビデ君に案内されたのは前の家だった。

 暗くてよくわからないが、誰かいるようだ。

 その誰かがパチンと指を鳴らすと家の中に明かりが灯った。

 

 艶のある黒髪は地面に付きそうなほど長く、大きな黒い瞳は驚くほど綺麗で、白くきめ細やかなその顔は、幼さを残しながらも絶世の美女と呼ぶに相応しい顔をしている。

 細身の体で黒色のゆるやかなワンピースを着て優雅に立ってる女性…


「…アル、久しぶり」


「…イ、イシュタ…なのか?」


 女性は静かに頷く。


 家の中に居たのは俺の嫁さんでもある『死神イシュタ』だった。

読んでくれてありがとうございますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ