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ようこそ死神農場へ!  作者: ととまこ
11/43

11 メイド『サラ』

11話投稿です。

 肩にかかるくらいの茶色い髪に黒い目。

 その容姿は美人と言っても問題ないだろう。

 細身の体でメイド服をきっちり着こなし、胸はクレアほどではないがはっきりと主張してる。

 

 サラさんは、ゆっくり起き上がると額に手を当てた。


「どうして生きてるの?まさか、死に前に助けられた!?…という事はここは拷問部屋!? は、早く逃げなきゃ!」


 慌てた様子のサラさんだったが、俺を見た瞬間「ひぃっ!」と小さい悲鳴を上げ、唇をかんで俺を睨みつける。


「…あ、あなたが私の拷問担当ですか! 私にあんな事やこんな事をするつもりでしょうが、私はクレア様一筋ですからあなたみたいな変人に屈指はしません!!」


 シャー!っと威嚇してくるサラさん。


「……い、いや、何でいきなり変人扱いされてるの俺?」


「そんな葉っぱしかつけてないのに自分が変人と思わないの!?あなたはそれがお洒落だと思ってるの?ダサいよ!ダサダサよ!!」


 泣きそう……ダサいって言われたよ。

 そりゃ、森に住んでるから服とかないけどさ。

 でもさ、この葉っぱの腰巻頑張って作ったんだよ?俺なりに試行錯誤して一生懸命作ったんだよ?


「……サ、サラ?お、落ち着いてください」


 俺が不憫に思ったのかクレアがサラさんを宥めようと声を掛ける。


「はぁ!?人をいきなり呼び捨てにするお馬鹿さんはあなたですか?何ですかそのボロボロのドレス!生地はいいもの使ってるみたいですけど…って、クレア様!?」


 サラさんは話しかけたのがクレアだと気付いたらしく、飛び上がって両手を握り締めた。


「ま、まさか…クレア様も捕まってしまったのですか?あの変人に何かされました?だとしたらすぐ見せてください!私が綺麗にして差し上げます!!」


 さあさあとサラさんは鼻息荒くクレアのドレスを脱がそうとしている。


「サラ、私は何もされていませんから!し、下着に手を掛けないでください!だ、だめ!アルさんに見られちゃいます!!」


 揉みくちゃになってる2人に俺は何も出来ず唖然と見ていた。


「ア、アルさん見ないでください!こっち見ちゃだめです!サラ!もうやめて!!いやああぁぁぁああぁあぁあ!!」


 我が家にクレアの悲鳴が響き渡った。



▽▽▽▽▽



「「大変失礼致しました」」


 サラさんとクレアは綺麗な土下座を俺にしている。

 あの後、クレアの全力身体魔法で吹き飛ばされたサラさんは家の土壁に見事な大穴を開けた。


「き、気にしないでくれ。か、壁はいつでも直せるし…」


 ハハハと力なく笑う。

 ベットも水浴び場もまだなのに壁直しまで加わっちゃったよ……


「そうですか。ならもう気にしません。ほら、クレア様も…」


 サラさんはすっと立ち上がり、クレアを立たせる。

 切り替え早いねこの人。


「えっと、何で立ったの?」


「お腹が空いたので食べ物取りに行くに決まってるじゃないですか」


 あれ?普通、ここが何処かとかここに来た経緯とか聞くもんじゃないの?


「その、自分が今どうなってるか聞きたくないの?」


「あなた、私の話聞いてました?私はお腹が空いてるんですよ?そんなの後から聞きますからまずは腹ごしらえでしょ」


「ではアルさん。サラに食糧庫の場所を案内してくれますか?」


「こんな変人から案内とか嫌です。私はク・レ・ア・様に案内して欲しいのです。さぁ、行きましょうクレア様♡」


 サラさんはクレアの手を引いて外に出ていってしまう。

 ポツーンと取り残された俺はしくしく泣いた。



▽▽▽▽▽



「なるほど。それでは、私も今日からこの農場にお世話になってもいいんですね?」


 あれから食事と今までの経緯を話し終わったころにはすっかり夜になっていた。


「もちろんだ。サラさん、これから宜しく」


「サラでいいですよアルバート様。一応ここの主人ですし」


「じゃあ、俺もアルでいいよ。様付は俺には合わないし」


「確かに合いませんが主人を様付けで呼ぶのはメイドの基本です。ご主人様とは絶対呼びませんけど」


 なんでこの人は俺に饒舌なのかな?俺何かした??


「アルさん。サラは男性に対してみんなこの対応ですから気にしないでください。何度も直すように言ったのですが…」


「クレア様。 私はクレア様に近づく不埒な奴らが嫌いなだけです。 このアルバート様だって、顔は…まぁ、かっこいいですが、体つきも…いいですけど、クレア様にどんな下心があるかわかりません!」


 サラはビシッ!と俺を指差した。


「アルバート様いいですか!?私の目の黒いうちはクレア様に指一本触れさせませんよ!!」


 …ホントは何度か触れちゃったけど、それ言ったら何されるかわからないよな。


「わかった。クレアには指一本触れないと約束するよ」


「はぁ!?こんな可愛くてスタイル抜群のクレア様に欲情しないなんてあなた正気ですか!?」


 どっちなんだよ……


「はぁ…とりあえず俺はもう寝るよ。クレア、サラおやすみ」


 今日は色々あり過ぎて疲れたから休みたい。


「はい。アルさん、お休みなさい」


「あら、何処に行くのです?」


「何処ってベットそれしかないし、外で寝るんだよ」


「これしか寝床がない?……ということは……ぐふふ」


「サラ、何か変なこと考えていませんよね?」


「いいえ考えていませんよ。 さぁ、クレア様、私たちもお休みしましょう。 ああ、でも、ベットがこれしかないのなら一緒に寝るしかありませんね。 しかも、こんな小さいベットなら抱き合って寝ないと狭いですね」


 いそいそとベットに入り込むサラ。

 その目は獲物を狙うダクロウ君のように光ってた。


「サ、サラ?ちょっと目が怖いわよ?そ、そうです!アルさん、私もダクロウ君枕をしてみたいので連れていってくださいますか?」


 ダクロウ君は全長5mほどあるからクレア1人増えたところで問題ないが。


「クレア様を外で寝させるわけには行きません!早くこちらに!!アルバート様はさっさと出ていってください!」


 しっしっと俺を追い払う動作をして、サラは光の速さでクレアをベットに横たわらせる。


「……クレア、諦めろ。お前なら大丈夫だ。……多分」


 俺はそう言って外に出た。


「多分って何ですかアルさん!大丈夫って何がですか!! あ!サラ!そこはダメ!!変なとこ舐めないで!!いやああぁぁぁああぁあぁ!!」


 我が家からクレアの悲鳴が響き渡った。

これで一先ずメンバーがそろいました。

次回から少しずつ農場が発展していきます。

相変わらずのんびり進みますがお付き合いくださいm(__)m

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