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装剣物語  作者: 川合総司
6/10

イクスオーバー

連続投稿になりました…

がんばります。

天暦250年10月28日、現地時間7時45分に自由革新同盟の都市ジャリにてヨーロッパ連合率いる連合国と日本王国及び自由革新同盟を中心とした同盟国との全面戦争、救聖戦争が開始された。


連合国は戦術機を中心に大型陸上戦艦ダイダロス、小型陸上戦艦スレイプニル、小型空中戦艦ワイバーン、大型空中戦艦ファーブニルという編成だ。


戦術機は主力のブレイズを中心に新型のサラマンドラを数多く使用している。

ブレイズはリニアレールガンとプラズマソード、サラマンドラはフォトンライフルとビームソードだ。


さらに砲撃戦用のドラグノフパンツァーも配備されている。主兵装は背面についている900ミリカノン砲でミサイルポット、両腕部にはガトリングガンも搭載されている。




対して自由革新同盟は空中戦艦ラシット、戦術機スカイラーグ、ラーグ、神龍に加えて神虎シェンフー、大型陸上戦艦クレムリンに加えてヴォルグのヘルファング隊がいる。


ヴォルグのディスガルム・オルトロスとディスガルムで編成されている。動力源はバスタードエンジンというアークドライブでも従来型でもないまた別の新型だ。こちらはアークドライブと違い半永久機関ではないが稼働時間が10000時間というかなりの時間だ。


バスタードエンジンもマキナバリアというバリアを展開可能でエクシードモードという装剣機でいうバーストモードまである。

エクシードモードに至ってはフェーズが5段階ある。


こんなに高性能なのに何故あの時使わなかったのか…


それとほぼ同時にストラージュニーでも戦闘が開始された。こちらは日本王国軍も参加しており、ドラグーン隊も配置されている。さらにあの戦闘の後に宇宙と地球両方で使える強襲揚陸艦天龍も配置された。


こちらもアークドライブを搭載している。天龍型で戦艦用だ。バーストモードも使用可能でアークフィールドMが採用されている。


ちなみに予備動力として青龍型4基も搭載されている。

艦長は安城利明大佐で年齢は42歳、歴戦の勇士であり叩き上げだ。副長の西条美琴中佐、28歳でこちらは士官学校を首席で卒業したエリートだ。


操舵士の金原クリス浩二中尉29歳、士官学校卒だが性格が少し

癖があり、多くの上官に嫌われた。そのためいまの階級にいる。


通信士の三枝しおり少尉23歳、士官学校卒業したての新米士官でこちらは士官学校時代の成績は3席なのでそこそこ優秀だ。


整備長の斉藤久秀曹長51歳、かなり優秀な整備士で彼にかかれば直らないものは無いといわれるほどで性格もメカに愛情を注ぎ仲間想いで面倒見がよく通称は親方だ。


そして肝心の司令官だが… なんと玲香の伯父で柏基地司令だった常磐彩加少将だ。


これにはさすがの玲香も驚いた。実は俺は知っていたが…

というより俺が彩加少将を司令にするように働きかけた。

これには訳がある。ドラグーン隊をふくめた独立機動部隊の創設の必要性を俺が軍の参謀本部に提案したところすでに彩加少将も同じことを提案しており、なら彩加少将を司令にと言ったからだ。


彩加少将もこの提案をこころよく引き受けてくれた。


ちなみに部隊名は龍神戦隊だ。ちなみにここにはドラグーン隊以外に新たに編成される装剣機部隊も配備される。ちなみにそこは中隊なのでドラグーン隊より数が多い。


今回は間に合わなかったため次回の戦闘以降になる。

時を同じくして宇宙空間でもコロニー統一連合と月面都市同盟の戦闘が開始された。


ちなみにコロニー統一連合の戦力は戦術機のグレイプニルと新型戦術機のフェンリルを中心に大型宇宙戦艦のライオロス、小型宇宙戦艦のレグルスだ。


月面都市同盟の戦力だが…なんと見た事のない新型機だけで編成されていた。救聖機と呼ばれるカテゴリーで、主力はクロノスで武装はグラビトロンライフルで明らかに縮退炉を使っていると思わせるものだ。近接武装はソニックブレイドでこれは従来からある。

指揮官機はユピテルでこの機体もグラビトロンライフルとソニックブレイドだが…なにかあるだろうなと思っている。


しかも戦艦が見当たらない。数も10機しかいない。

俺はかなり不安を覚えた。とりあえずコロニー統一連合軍が生存者がでるように祈るしかない。最悪空間転移を使わないといけなくなるな…



まずジャリの戦闘はヴォルグの率いるヘルファング隊が敵主力のブレイズとの戦闘に入った。ヴォルグのディスガルムオルトロスがブレイズ9機を光波剣を射出できるファングカリバーで仕留めるとサラマンドラ3機をファングカリバーノーマルモードで瞬時に撃破した。


またディスガルムたちもそれぞれブレイズとサラマンドラを撃破していき、9時半頃には撤退していった。


俺たちのストラージュニーでも連合国軍はジャリと同様の編成で、俺たちの方はドラグーン隊と轟雷と早風がそれぞれ9機、そして新型の万能戦艦天海が1隻だけだ。


まぁドラグーン隊だけで十分だと思ったが案の定戦闘から1時間ほどで戦況は決した。


地上では同盟国が緒戦を制した。地上では…


俺たちは戦闘終了後に宇宙での戦闘がすでに終了していることを知った。コロニー統一連合軍が戦闘開始からわずか3分で全滅したという情報を…


そしてなぜそうなったかというと救聖機クロノスには特殊能力があった。救聖機以外の機体を行動不能にしてしまうというものが。名の由来の時間の神クロノスのように…


そしてトドメをさした救聖機ユピテルだがやはり隠し玉があった。突然武装を転移させた。


武装を転移させたことも驚いたが転移させた武装が問題だった。なんとブラックホールクラスターキャノンだった…

それから放たれた小型のブラックホールに動けないままコロニー統一連合軍は吸い込まれ消滅した。



やはりなにかあると思ったらとんでもないものを…

これは下手すると縮退砲を作りかねないな…


俺と玲香は彩加少将に救聖機との戦闘を龍神戦隊にやらせてもらうよう司令部に掛け合ってもらえるように進言することを決めた。


その前に救聖機の動力源が分からなかったので玲香に聞いた。

「玲香、救聖機の動力源に心当たりはあるか?ちなみに使用した武装をみる限り縮退炉だと思うが…」

「少佐、おそらく違うと思います。その根拠はクロノスが使った特殊能力です。コロニー統一連合の機体が動かなくなったのは機体にウイルスを散布したからではありません。戦闘区域で空間が歪み確かに時間が止まっていました。それも意識だけわざと残して」

「なんだって…」

「おそらく救聖機の動力源は戦術機の生みの親ラミナス・ゲイルがかつて構想していたメシアドライブかと」

「メシアドライブだと!ほぼ全ての現象を再現可能なあれか!」

「ええ…なら急がないといけませんね。龍王型及び凰龍型のアークドライブとイクスセイバー及びエグゼクスセイバーを…」


―――――――――――

月面都市同盟の方では大統領のユリアナ・ヘンドリクセンと首相のマリアーナ・シュトラウス、そして救聖機部隊メテオストライク隊の隊長にして月面都市同盟軍の総司令官ハンニバル・ダーベルク元帥が極秘裏に会談していた。

「元帥、メテオストライク隊の初陣、まことに満足すべき結果でした。まずよかったのではありませんか?」

「大統領、まだまだです。なにせあのアークドライブを搭載する装剣機とバスタードエンジンを搭載した強襲機とやり合ってませんから」

「あのふたつの動力源を持っているのですからどちらか引き離さなければかなり厳しいですね。まぁ私の力を使えばいけなくもないでしょう」

「マリアーナ、そのことはイクスオーバーである私たちの秘密ですからね…」

「分かっています。大統領」


―――――――――――――


あの戦闘から数時間たち、ストラージュニー基地に駐屯していた時、ジャリ基地にいたヴォルグと総司令官に就任したアレクセイ・スミルノフ元帥から通信があった。俺と玲香、そして彩加少将だけで応対して欲しいとの事だったため、三人で通信室へ入った。

「自由革新同盟軍総司令官のアレクセイ・スミルノフ元帥だ。こちらは強襲機部隊ヘルファング隊隊長のヴォルグ・スヴォルスキー少佐だ。」

「ヴォルグ・スヴォルスキー少佐です。龍神戦隊司令の常磐彩加少将、そして装剣機及びアークドライブの開発者、常磐玲香嬢、お初にお目にかかります。以後お見知りおきを、そして時矢よ、久しぶりだな。聞いたぞ、中佐に昇進したんだってな。このような口をきくのは失礼だな。早速ですがお伝えしたいことがあります。司令官、御説明を」

「実は月面都市同盟のことだが…重大なことがわかった。大統領のユリアナ・ヘンドリクセン、首相のマリアーナ・シュトラウス、そして救聖機ユピテルのパイロットにして軍総司令官のハンニバル・ダーベルク元帥はイクスオーバーだ。特にマリアーナが厄介らしい…」

「司令官閣下、常磐玲香です。私はマリアーナ首相の能力はなんとなく分かります。精神操作能力でしょう?実は私と時矢中佐も使えます」

「時矢中佐です。ですが私と玲香はその能力は使いません。なぜならその能力には弱点があります。イクスオーバーでなくとも効かない人間が一定数いるからです。それに私たちの能力はそんなことのためには使わない」

「そうか…なら君たちにかんしては安心だな。聞きたいことがある。中佐と玲香嬢の特徴的な能力は何かな?いえなければ大丈夫だ。その前にヴォルグの能力も言っておこうか…少佐」

「はっ!私の能力は驚異的なタフネスに加えて生身で転移可能なのだ。それと空間を開いて、機体や部隊を連れて移動できる」

「少佐、ありがとう。では私時矢中佐ですがタフネスまではヴォルグ少佐と同じですがバリアなどを解除できる、精神操作も解くことも可能です」

「私玲香ですが私は精神操作能力に加えてあらゆる科学物資を開発できる頭脳と腕ですね。実戦的なものはありません」

「彩加少将は何かイクスオーバーについてご存知ですか?」

「スミルノフ元帥、私は玲香と時矢中佐が話したこと以外は知らない。ですがイクスオーバーの能力者の扱いについては存じ上げています。能力の解析、技術発展の名目上かなりのイクスオーバーの能力者が人体実験を繰り返し、使い捨てにする…そう時矢中佐はなりかけたが、時矢中佐、あのこと話すぞ。中佐は計測数値を操作できる、それによって廃棄処分と称して命を奪われかけた時に精神操作能力を使って脱出した…その時私が海岸沿いに打ち上げられたのを見つけて育てた」

「少将もか…実は私もなんだよ、ヴォルグ少佐にも過酷な人体実験が行われていた。少佐は隙をみて、空間を引き裂いて脱走した。その時に私がヴォルグ少佐を匿ったのだ。私はその時すでに中将だったからね、運のいいことにその施設に強い権限のある部門の責任者だったからすぐに施設を閉鎖させたよ。大統領も了承して下さった、匿ったことも目をつぶってくれたよ…」


「元帥、提案がございます。救聖機との戦闘の際、我々龍神戦隊と革新同盟のヴォルグ少佐のヘルファング隊を優先的に当てていただきたいのですがよろしいでしょうか?すでに総理の許諾は得ています」

「少将、実は私も同じことを考えていたのだ。私もすでに大統領から了承を得ている今回の通信は情報を共有するためだ。わかった。私の方からヘルファング隊を龍神戦隊との共同戦線に正式に回す文書を紙とデータで送っておく」

「私の方も同様にさせていただきます」

「では以上だ。それと中佐と玲香嬢はそちらの応接室にいてくれ。ヴォルグ少佐とともにそちらに移動する、ヴォルグ少佐の能力でな」

「了解しました」

「承知致しました」


通信終了後に俺たちは応接室に移動した。するとタイミングを図ったかのようにヴォルグとスミルノフ元帥が入ってきた。空間を引き裂いてと言っていたが、まさにそのとおりだな…

綺麗に空間がふたつに割れて、こちらに移動を終えると綺麗に修復された。


「中佐、玲香嬢、同じタイミングになったな。済まないが隠しカメラあるだろうから私からすわらせてもらうね」

「元帥、心配には及びません。すでに改変してあります」

「中佐、すごいな…おちおちとカメラもしかけられないな。まぁそれはそうと、ここに来たのはな…実はすでに月面都市同盟のマリアーナ首相の精神操作能力によって精神操作されたものがかなり出ている。私やヴォルグ少佐及びヘルファング隊の隊員には効かないが、おそらく近いうちに反乱が我々の自由革新同盟で起きる…ちなみにそちらの政府の閣僚で月面都市同盟のマリアーナ首相と接触したものはいるか?」

「楠本官房副長官の話によれば副長官以外接触していないらしい。ちなみに楠本副長官もイクスオーバーの能力者です。副長官は精神操作に対する耐性及び操作された人間の精神操作を解除できます。かなり疲れるそうですが一度精神操作された人間に耐性を与えることもできるそうです」


「実はな…楠本副長官にはヴォルグ少佐の能力で革新同盟の政府閣僚全員がマリアーナの能力で精神操作を受けていたようで、解いてもらって耐性を付与してもらったのだ。ただ副長官はかなりおつかれだったようで、宿舎へ送って行ったら、そのまま崩れ落ちて気絶していたよ。ベットに寝かせてから我々は戻ったが…」


突然、スミルノフ元帥の通信機に緊急通信が入った。

どうやらその反乱が起きたな…

そう思っていたら、玲香が先に元帥に尋ねた。

「元帥、もしかして…」

「ああ、反乱が起きたよ…それも自由革新同盟の全土でな。確かに閣僚の精神操作は解いてもらったが、野党議員や与党で閣僚になってない政治家と官吏は解いてもらって無かったな…楠本副長官がかなりおつかれだったからな」


「元帥、そうも言ってられないので私はすぐにイクスドラグーンで向かいます。ちなみに一番近い反乱場所は?」

「中佐、一番近いのはビンペルクだが、ブダペストの方がいい。あそこが旧チェコの中で一番大きい基地がある、そこを落とした方がいい。なぜなら救聖機がいるからだ。以前確認出来ていない機体らしい。おそらく新型だ…ヴォルグ少佐のディスガルムオルトロスもすぐにそちらに向かわせる。それまで頼む」

「ではすぐに向かいます」

「では元帥、少佐私も失礼致します」

そう言って俺たちは出ていった。

「では少佐、我々も向かうか」

「はっ!」

―――――――――――――


すぐに俺はトニー達に付近の基地の反乱を鎮圧してもらう間にイクスドラグーンでブダペストに向けて空間転移を行った。


ここで俺は装剣機に乗ってはじめての試練が訪れる…


次回は時矢にとってはじめての苦境を味わうことになります。

いかにして乗り越えるかを書いていきます。

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