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少女に明日はない⑨


「え?せ、先輩どうして…」


「いや近くで大きな声が聞こえてきてさ。

もしかしたらと思って来たら…」



日向先輩が苦笑いで私たちを見ている



「ご、ごめん僕お邪魔だったかな?」



私は我に返って小島くんから離れた



私達3人の間に変な沈黙が流れた



「あれ?もしかして小島くん?」


先輩が小島くんに気づいたようで声をかけた


二人は知り合いなのだろうか




「あ、あーー!日向さんお久しぶりです…」


「本当に久しぶりだね。中学以来だ



元気にしてる?」



「え、えっと はい!げ、元気です」



不思議な絵面だ

ちょっと先輩っぽい日向先輩と

異常に緊張している小島くん



二人とも今まで見たことのない顔をしている気がする。




「何?郡山さんは小島くんの彼女なの?」


先輩の声が少し鋭くなったような気がした

いや、この一言が私の胸に刺さったのか。



痛い



「あ、いやいや!僕には勿体無いですよ。ははは…」


凄く『らしくない』回答だった


もっと明るく笑える返しをするものだと思っていた。


「ふーん。そっか」


先輩もどこか影のある面持ちだ






「ねぇ郡山さん」


「は、はい!」





急に話しかけられて思わず声が裏返った



「アドレス交換しない?」


とても優しい笑顔で先輩は言った

まるで直前のやりとりが何も無かったかのような凄く優しい笑顔で。




赤外線の操作に戸惑いながらも私達は連絡先を交換した


先輩はその後、立ち去って行った。




小島くんと2人、なんとも言えない空間に残された




「…郡山さん」


先に静寂を破ったのは彼だった。



「ごめん」



「…え?」


突然の謝罪に私は素っ頓狂な声を上げた



「俺、多分応援できない。」


真っ直ぐな目で私を見てそう言った


「な、え、何が?」


聞き返したが正直何のことかは検討がついていた



「ごめん。それだけ」



そういうと彼は足早にこの場を立ち去って行った。




一人残された空間にはまた静寂が訪れた


「そ、それだけって…えぇ…」



普通に考えれば、彼が私に好意を持っているかのような状況だが

なんか違う


根拠のない憶測がそう言っていた





その日を境に小島くんは少し私から距離を取るようになった。


いや、元々距離感が近い人ではあったから

一般的な距離になったようにも思えた。




私は段々ユウキと過ごすことが増えてきた。



あの日から、部活している先輩を見ることもやめた。

代わりに家に帰って鳴らない携帯を眺める習慣がついた。




小島くんが大人しくなってから、なのか

私がハブられたあの日から、なのか

ユウキは徐々に人間らしい反応になってきた




変なの。

彼との関わりを持ってから時間の巻き戻しが止まったり、クラスでハブられたり、先輩に恋したり


まるで……



まるで?



私の中で一つの仮説が生まれた



ユウキが今の、私の人生における重要人物である。ということ

そしてこの不思議な現象の糸口である。




先輩のことがあって、完全に忘れていたが私は今当たり前のように一日を過ごせている。



迎えられなかった明日を迎えられている。



この人が…私を救ってくれる?




分からない

自分が何を言っているのかよく分からない


けど。



彼が関係してないと考えるよりは

彼と過ごしてみよう。そう思っている自分がいた




思い出せ郡山葵

そういうのは得意でしょ?



どうしてた?これまでの私

こういう時はどうしてた?




『郡山 葵』になろう。

あの私はきっと自然に彼と仲良くできる




私はまた、埃被った綺麗な仮面を

そっと身につけた。





「ユウキ!一緒かーえろ。」





今日も携帯は鳴らないまま。

ちょーーっと昔の進行を忘れてました


どこで過去の流れと帳尻合わせるか



「ユウキ!一緒かーえろ。」

この言葉は当時、意識した言葉でした。



状況によって見え方が変わるセリフを意識して

いい感じの二人においては『積極的な女の子』のセリフ

打算的な状況においては『心のこもってない』セリフ



学生時代に

よく後者のようなトーンで話しかけてくる女の子がいました。その子は恐らく誰にでもそのようなトーンで話しており、その実 仲の良い友達と見受けられる人はあまり居なかった印象でした。


表層的な付き合いが非常に上手い子で『よく遊ぶ知り合い』が多い印象でした。



未だにその子のリアクションがどちらだったか正解はわかりません




どっちも生きやすい世の中だといいですね。










余談ですが、

この度小作家になろう専用のTwitterアカウントを開設しました。





シンプルに小説を読む友達も、ましてや書く友達も周りにいないので友達探しで始めてみました。





何が言いたいかというと、

良かったら仲良くしてください笑


@winchester_u_


です。






それではまた。

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