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少女に明日はない⑧


小島くんはあの日からやたらと絡んできた。


正直、彼とユウキと連むようになってからクラスで浮き出したというのが大きいだけに少し

いや、結構複雑な心境だった。



ただ、彼の人望もあってか

彼を含む私たち3人は自然と周りに受け入れられていき、かつての立ち位置こそないもののクラスでの居心地は悪くはなくなっていった。



ユウキもハブられたあの日に声をかけてくれてから、気さくに話してくれる存在になっていた



どちらかと言うとユウキは

打算的なような子供っぽいような不思議な人であるだけに小島くんよりも表層的な付き合いをしやすい人だと思った。





変な3人だな。


狡猾にカースト上位に登り詰め、他人を掌握してきた自分と

天性のキャラクターで万人に愛される小島くんと

根暗で引っ込み思案なのに、妙に達観しているユウキと



まともな高校生が一人もいないや。


みんな他の人をそう思ってみてるのかな

…まぁどうでもいいか。




クラスで居場所を取り戻した私は

それでも放課後は先輩の部活を見に行っていた



ある日は後輩の女の子に引っ張られて材料の買い出しに。

ある日は別の女の子に呼び出されて告白され。

ある日は部員の女の子に囲まれて。。。



……ちょっとモテすぎじゃない?



まぁ確かに顔立ちも綺麗だし、優しいし?

見た感じ面倒見も良さそうで素敵な人だけど

細いし、身長もそんなに高くないし…



草葉の陰で先輩を見てる自分が何を言っているのだろうか。




「あーあ。楽しそうにしちゃって…」


「なーにが?」



背後からの声に勢いよく私は振り返った。



「こ、小島くん!なんでここにいるの??」


彼は私が覗いていた方向に何があるかと辺りを見回していた。



「いや、たまたま近くで郡山さんを見つけたからさ…なーにしてるのかな?と思って…」



彼の言葉が止まった。

恐らく先輩を見つけたのだろうか



「えっと…郡山さん」


何故だか変なリアクションの小島くん



「もしかして、郡山さんの気になる人って」


私は、振り返る彼に思わず顔を背けた




「ひ、日向先輩?」



顔から火が出そうだった。




ここ最近の私の行動は、恐らく私本来の感覚的行動だったのだろう

一人の恋する女としての、本来の『郡山葵』としてのウブな恋愛だったのだろう。



告白を多くされてもどこか他人事のように感じていたし、現に思うところも特に無かった。



ただ自分ごとの恋愛になるとこんなにも私は奥手だったのか。



「え、あ、ち、違うの!そ、その。あの…」




必死に抵抗しているが、こんなのバレバレだろう。



「そ、そーだったのかぁ……俺はてっきり…」




彼は酷く落ち込むような、バツの悪いような

形容し難い表情で私を見ていた。



「いや、だから本当に!!違うんだって別に!! ねぇ小島くん!!」



彼の肩を揺さぶるも彼は何故か酷く青ざめた顔で私を見ていた




「あーーごめん。なんか本当に色々ごめんね郡山さん!」




「だから違うってば!!」








不思議な構図の2人の寸劇を遮るかのように一言






「どうしたの?郡山さん」



日向先輩が話しかけてきた

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