女子に明日はない②
私はこの2回目の
いや、厳密には3回目だがややこしいので2回目ということにしておこう。
2回目の高校生活で、少し私の世界の見方は変化していた。
まず、女子高生の上位に位置する女子というのは能天気に生きているだけではないということだ。
今回の私は極力同性の友達を作ることに努力をした。
現役ですら苦労した友達作りは
社会人を経験した私には朝飯前だった。
カースト上位の女子とは、キャラクターと華を見られ足切られてしまったが、それ以外の女子とはそれなりの関係が持てた。
尤も女子の仲の良さなど表層的なものが大半であるのだが。
そこで皆の憧れる同級生、交際関係を把握した
ここで最も意識したのは友人の情報を収集することであった。
結論から言うと私はこの2回目の高校生活は予習期間に当てたのである
何故だか友人が増えたことで冴えない男子以外からも声がかかるようになった。
悔しくも交際にまでは発展しなかったが
おかげで男子の情報収集もすることができた。
どうやら男子からすると、カースト上位の女子というのは近付き難い存在であり
たとえ見目麗しかろうとも秘めた想いに留まる存在であるとのことだった。
なるほど確かに納得がいく。
皆は皆がこの立ち位置にいるというのを把握して人生を過ごしているのだ。
私はこれまで一度として自身の立ち位置について考えたこともなかった。
自身の髪型が地味であるということも男子に言われるまで気づきもしなかった。
データを揃え自身を見つめ直した私は
形容し難い自信を持つようになった。
「勝った。」
それからの私は学校では普段通りの生活を過ごしつつ帰宅後メイクとファッションの研究をした。
試しに放課後に武装をして街に繰り出したりもした。
空気よりも軽そうな男が声をかけてきた。
ナンパだった
家から駅までを往復するだけで2.3人から声をかけられた。
凄い。
これが本来の女子高生の需要なのだろうか。
私は歓喜した
それからやり直しが入る夏までに少しずつ学校にも武装をしていくようになった。
周りの目が明らかに変わった
それまで馴れ馴れしかった男子が急によそよそしくなり、デートに誘われることも増えた。
良いことばかりが続くわけでもなかった。
梅雨の時期にはカースト上位の女子に目をつけられた。
私は妬み嫉みに晒されることのリスクを覚えた。そこから私はティーンエイジャーの思考について考えることに時間を費やした。
当然学校行かなければその思考に触れる機会はないのでいじめられることを覚悟で耐え抜いた。
そして訪れた三度目のやり直し
私は完全武装をして登校した。
今思うと、この瞬間が私の人生におけるベストだったと、実感した。
私を取り巻く環境がこの日を境に全て変わった。




