翠晃冠は向日葵になれない⑦
公園のベンチは好きな方だ。
社会人時代もよく外回りの合間に座って黄昏ていたものだ。
喫茶店と違い喧騒に苛まれることもあるが、この生活の、街の一部で腰を下ろすのが私は好きだった。
よもや女の子と雨天で腰を下ろすとは考えていなかったが。
今更だが、こういうときこそ喫茶店に行くべきだったのかもしれない…
まぁ、もう考えても仕方がない。
こういう相手が話を切り出すのを待つ情景
その際に待っている側はどんな顔して待っているのが良いのだろうか。
何か神妙な面持ちをしておくべきなのだろうか。
内容としてはシリアス色の強い話なだけに
そうするべきなのであろうか。
あえて暗い話に気が入りすぎないようにフワフワした表情を纏っておくべきだろうか。
「あ、あのさ! ……え、なにその顔」
奇しくも郡山葵の発言が飛び出したところで私の表情が会話のブレーキをかけてしまった。
ちなみに表情としては
シリアス3のフワフワ7の表情である。
どんな風に見えたのだろうか…
「ふふふ」
思わず彼女は笑いをこぼした。
フワフワ7が功を奏したのかもしれない。
私も満更でもなかった。
私も釣られて笑った。
しばしの間、なにで笑ってるか分からない2人の空間が完成した。
「それで、どうしたの?」
この朗らかな雰囲気の中、私は彼女に切り込んだ。
「実はね…相談したいことがあって。」
やはり。
「好きな人が…できたの。」
大丈夫。ここまでは想定どおりだ。
「その人はすごく優しくて、それでいてなんだか私のことをよく知ってるみたいなの。
ま、まぁ…顔も悪くないかなって感じだし」
うんうん。
「別に告白をされたわけではないんだけど、その人が他の女の子と仲良くしているのを見ちゃって凄くもやもやしちゃって」
うん。
「ただその人は多分私の方を真剣に向いてくれそうにないの…」
うん
「どこか達観した感じがしてね。
私とは住む世界が違うようなそんな感じ。
何言ってんだろうね私…」
「それでね。意を決して告白をしてみようと思うの。
さっきこっちを見てくれない気がするって言っておきながらなんだけどさ…」
少し未来が変わったような気がする。
いや、もしかしたら先輩に呼び出された時も告白されるのを期待して赴いた可能性もある。それが、自身からの告白に変わっただけならばそれほど大きな差異は起きてないだろう。
「そっか…まぁ郡山さんが決めたことなら応援するよ。」
私の口からは、言葉だけ見ると情けないようなそんな発言が飛び出した。
ただこれが翠の言う助けになるのであれば私にできることは見送るまでだろう。
そう思いながらも心の奥底でチクリと痛みを感じていた。
誠に図々しく複雑な心を持ち合わせたものだ。
私はこの何十年で一体どれだけの女性に気持ちが行ったり来たりしているのだろう
……いや、世の中はそんなものか
なんなら私以上に移り気のある人も多くいるだろう
私はこれだけ生きてきて
まだ世の中のこれっぽっちも理解できていなかったのか。
いつの間にか雨は止んでいた。
雲の合間から日差しはさしていないが
この不安定な天気は私の心を投影しているようで私は嫌いでなかった。
清々しい気持ちだ。
「うん。ありがとう。」
彼女もなんだか清々しい表情に見える。
また明日からは彼女の動向を追っていくとしよう。
もしかすると、同じ展開に遭遇する可能性が無いわけではないし
何より今の私は予習が効いている。
大丈夫だ。次こそは
「相トくん。」
思わず名前を呼ばれ振り返る。
そこには真剣な眼差しの郡山葵が立ち上がっていた。
「あなたのことが好きです。」
雲の合間から西日が顔を覗かせた。
それはとても綺麗な夕景で
それはとても
一年以上開くとどんな展開を書いてたか忘れますね。
基本的に携帯のメモ帳機能に書いてコピペして投稿しているので、
当時どういうつもりで書いたのか思い出せないのと
よっぽど細かく書いてない限り見直しをしないので
過去を振り返るとなんだこの言い回しは。
と、恥ずかしくなります。
基本的に休みの日はアニメかドラマか映画か
はたまたゲームを貪る日々ですが
こう物語を書いていると段々と自身の日常まで色づいたように感じます。
さてさて、
ここまで長々と前置きをしたのは
ありがたいことに呼んでいただける方やブックマークまでして頂ける方がいらっしゃることもあり
感謝極まりないのですが
いかんせんここまで長い文章を執筆したこともなく
正直なことを言うとクオリティに心配が隠せないでいます。
感想をかいてくれとは言いません。
評価みたいなのを1でもなんでも押していただけると幸いです。
正直なところをみたいです。
よろしくお願いします!
長くなりましたがこれで。




