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翠晃冠は向日葵になれない⑤


「なぁ、ユウキ。」


フードコートで昼食を物色する最中、ハルキストが私に声をかけた。



「どうしたんだ?」


彼は何か言いたげな、それでいて少しバツの悪そうな顔をして私の前に立っていた。



私はこの顔を知っている。

前回、私と葵が仲良くなった時にも見た顔だ。

お見舞いに来てくれた時もこんな顔をしていた気がする。

結局、彼の真意は今もなお分からずじまいであったのだが、とても印象的であった。




「やっぱお前と郡山さんって付き合ってるのか?」


私の心はざわついた。


「やっぱってなんだよ。付き合ってるって噂、お前まで信じてるのか?」


何故だか私はきつい言い方をしてしまった。

この心のざわつきの正体には薄々気がついていたが、あえて見ないようにしている。




「いや、そういうわけじゃないんだけどさ」


歯切れの悪いセリフがハルキストの口から出た。


「ただ、2人の空気?がさ。

なんかただの友達のそれに見えなくて。」


つまり何が言いたいのか。

そこまでハルキストの口から聞く勇気が無かった。



「よく見てるんだな。ハルキストは」


私の皮肉まじりの言葉は、彼に本来の意味で伝達はせず、ただ褒められたこととして彼は照れている。



「なんか、俺に出来ることがあったら言ってくれな?俺たち友達だろ?」






私は脱帽した。

てっきりハルキストは葵を狙っていての発言なのかと勘違いをしてしまった。


…いや、まだ勘違いと決めつけるのは早慶かもしれないが。


ただ牽制だとすると最後の相談をほのめかす発言は、どうも釈然としない。



女子の界隈ではこういう方法で相手を蹴落とす話があるのかもしれい。

…勿論ソースはない。偏見だが

ただハルキストにおいては、そんな回りくどい事をするタイプではないし確実に『好きなら好き』でむしろ競うイメージすらある。




ただこの歯切れの悪さはただの応援の類でないことは分かる。恐らく何か私に言えない何かを知っているのだろうか。


もしかすると、あの日向先輩の一件を彼は知っているのだろうか…。





「ちょっと近々相談するかもしれない。

…ありがとう」


私の言葉に照れ笑いを隠しながらハルキストは私の背中を叩いた。

彼は一足先に2人の待つテーブルに駆けていった。



あぁこの感じだ。

このハルキストの感じである。

これまでいろいろな出来事が起きて頭の中が整理つかないでいたが、

この底なしの明るさが私を含め色んな人を照らしてくれる。

いつだってハルキストは太陽だった。


そんな彼に死の選択をさせたことが

私の中ではどうしても後悔として残っていた。

現役も今もずっと私の青春時間に付き合ってくれた親友を追い込んでしまったことが。



翠が好きになるのも当然であろう。

なんなら当時身寄りのない女の子を引き取って一生を添い遂げるまで過ごす男気。




本当に…ハルキストくらいの度量があっての…

ただそれも…彼も翠と同じ境遇で…

同じループを生きてきた……存在だから…














私は一つ大きな誤解に気がついた。


尤もこの誤解は今はもう、確かめようのないものとなってしまっているのだが




ハルキスト…小島春樹はこの時間の人間ではない。

吉崎翠は、当時の小島春樹にそう言われたと言っていた。


すると…

当然このループ現象の中で突然湧いて出た存在ということになるのだろう。


なんなら彼はこの時間軸に来た時重病患者だったとさえ言ってた気がする。

ただ、今の彼もそうだが私達の知る彼はそんな気配は毛頭感じられない。


今は一旦この件は置いておくが




私は、何故『現役時代から』小島春樹と高校生活を過ごしていたのだろうか。


このループ現象で初めてこの時間軸に存在したと言っていた彼が

何故私の記憶に存在しているのだろう。







「おーい。ユウキ!早く来いよー!」

私達を待つ席から元気な声で春樹が呼びかける。


お盆を持つ私の手は汗で湿っていた。

分からないことだらけだ。

ちょっと頭の整理もつかない。


「今行く!」



私は考える事をやめた。

今は愚直に目の前の時間を満喫することにした。



外の天候とは裏腹に、昼食の場は和気藹々とし、それぞれの思惑通りか否かで盛り上がっていった。

今はただ、今はただ。



ちょっと分かりづらい話になりますので補足というか説明を。



主人公が0歳から40歳までの人生を過ごして病院で息を引き取りかけるまでの時間を『現役』


それ以後16歳から40歳までの繰り返し時間を

『この時間軸』『ループ現象』


と称しています。




さてさて。

今回で10万字遂に到達したかな??


いやーー10万字って長い長い笑


改めて読んでくださってる方は本当にありがとうございます。


書き出した当初を確認とかで読み返すことがあるのですが、

なんか色々自分なりの試行錯誤が見受けられて恥ずかしくも、面白く感じます。



去年本格的に書き出した時は

女性キャラを10人くらい各章ごとに出していこうと考えてあったのですが書いていくうちにSFチックな設定の深掘りに頭が向かい気がついたらこの路線になっていました。



明日が誕生日ということもあり

なんとなく今日までに10万字達成したかったのですが、出してみて足りてなかったらどうしよう。




本当にアクセスやブックマーク、誤字訂正など見ていただけていることがわかるだけで楽しく続けられてます。

お読み頂いている世代は把握できないので分からないですが

多分ティーンには受けないと自負しております笑



もし、10代で読んで頂けているコアな層がいらっしゃったら誠にありがとうございます。




改めてここまで読んでいただきありがとうございます。


長くなりましたがこれで。

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